あなたはヤマザキ春のパン祭りでお皿をもらう家族の一員なのだろうか?
それともネット上でネタとなったヤマザキ春のパン祭りでお皿をもらっている家族の特徴をみて、ひと笑いしたいのだろうか?
いずれにしても、本稿ではそうした家族の実態に迫るべく、ヤマザキ春のパン祭りでお皿を獲得したことがある全国の男女300人に調査をおこなった。
本稿の着地点を先に言うと、下記になる。
▼本調査の結論
・ネタにされている春のパン祭りでお皿をもらう家族の特徴はほぼ当てはまらない
・景品のお皿が割れにくいという噂は8割が実感
・ヤマザキ春のパン祭りはよくある販促キャンペーンとは別格
本稿を最後まで読めば、あなたがこれまでに知らなかった春のパン祭でお皿をもらう家族や、春のパン祭りの驚異的な実態を知ることができる。
それではじっくりご覧いただきたい。
ヤマザキ春のパン祭りでお皿をもらう家族の特徴
まず前提として、一種のネットミームのように語られているヤマザキ春のパン祭りでお皿をもらう家族の特徴を確認しておこう。
▼ヤマザキ春のパン祭りでお皿をもらう家族の特徴
「冷蔵庫にマグネットが大量に貼ってありそう」
「タッパーが山ほど溜まってそう」
「いまだに回転するレンジを使ってそう」
「近所の酒屋が配ってるカレンダーが貼ってありそう」
「淡い花柄の布団を使ってそう」
「食卓に薄いビニール製のクロスが敷いてありそう」
「ヤクルトレディと仲がよさそう」
「よくわからない化石が飾ってありそう」
「玄関に濁った水が入った水槽が置いてありそう」
これらの特徴は昭和の家庭によく見られた光景でもあり、レトロな印象を受けるのは筆者だけではないだろう。
一方でネット上のネタらしく、山崎製パンという一企業の販促キャンペーンにまんまと乗せられてしまう人の純真さをイジっているようなところもあり、単純なノスタルジーというだけではない。
もちろんこれらの特徴に当てはまる人も、あくまでインターネット上の某掲示板サイトで盛り上がったネタなので、これを真に受けて憤慨してはいけない。
本稿も、ヤマザキ春のパン祭りに参加する家族を揶揄することが目的ではないので、その点はご了承いただきたい。
しかしながら、「実際これらの特徴は、ヤマザキ春のパン祭りでお皿をもらう家族に当てはまるのか?」という点は、やはり気になってしまう。
そこでこのネタであげられた特徴の信ぴょう性を検証してみることにした。
【結論】パン祭りでお皿をもらう家族は特徴にほとんど当てはまらない
今回検証のために、ヤマザキ春のパン祭りで懸賞のお皿をもらったことがある全国の男女300人にアンケート調査をおこなった。
結論は「ほとんどの特徴に当てはまらない」という、「言われみればそりゃそうだよね」という結果になってしまったが、まずは下図をご覧いただきたい。
唯一「冷蔵庫にマグネットが複数貼ってある」という特徴のみ77.3%の回答者に当てはまったものの、それ以外の特徴は惨敗状態である。
そのためインターネット上でネタにされている「ヤマザキ春のパン祭りでお皿をもらう家族の特徴」に関しては、その多くが単なる妄想に過ぎないと言うことができる。
たとえばもっとも当てはまる特徴として多かった「冷蔵庫にマグネットが複数貼ってある」や「タッパーが溜まっている」(32.7%)という特徴だが、これは春のパン祭りでお皿をもらう家族特有の特徴と考えるよりも、比較的多くの家庭で見られる特徴と考えたほうが自然だ。
もちろん春のパン祭りに参加したことがない家族に同じ質問をして、それぞれの割合を突き合わせてみないと明確にはできない。
だが大半の特徴に当てはまっていない回答者のほうが多いので、春のパン祭りに参加している人に「もしかして家に化石が飾ってあったりするんじゃないの?」などと問うても返り討ちにあうだけになるだろう。
以上で本稿としての結論がいとも簡単に出てしまったので、ここで書き終わってもいいところだ。
だが今回の調査では、ヤマザキ春のパン祭りに関するほかの興味深い事実が浮き彫りとなった。
というのも山崎製パンの公式発表によれば、過去40年近くの間に景品として配られたお皿の累計枚数は5億7000万枚である。
理屈上日本の全国民がおよそ4.7枚の景品のお皿を所持、または所持していた計算になり、もはや春のパン祭りは国民行事と呼んで差し支えない。
次章以降では、そうしたヤマザキ春のパン祭りの関連情報を見ていくことにしよう。
ヤマザキ春のパン祭りでもらえるお皿は割れにくいの噂は8割が同意
ヤマザキ春のパン祭りでもらえるお皿は、アルク・インターナショナル社というフランスの大手テーブルウェアメーカーが製造している。
同社製の食器の価格を通販サイトで見てみたが、お皿1枚で2,000~3,000円くらいはしており、100均のお皿を常用している筆者からすれば、高級食器といっても過言ではない。
この景品でもらえるお皿が割れにくいという噂があり、その信ぴょう性を回答者に確認してみた。
結果、79.0%もの回答者が少なからずこの噂に賛同している。
筆者も今回調査するまでは正直なところ「お皿1枚をもらってそんなに嬉しいか?」と思うところがあった。
しかしながらアルク・インターナショナル社製品の価格や、お皿としての耐久度を見ると、この考えは改めざるをえない。
というのも例えば「ダブルソフト(6枚)」(税込214円)を10点購入すれば、春のパン祭りでお皿を1枚もらえる。
つまり税込2,140円で、普通に購入すると2,000~3,000円くらいの価格帯のお皿が必ずもらえることになるので、還元率でいうと100%近くあることになる。
「ヤマザキ春のパン祭り」というほのぼのとした名前とは、似つかわしくないほどの大盤振る舞いと考えられるのだ。
ヤマザキ春のパン祭りでお皿をもらっている人は、単に企業の販促キャンペーンに乗せられている人とは、切りわけて考える必要がある。
ヤマザキ春のパン祭りでもらったお皿の平均枚数は5.7枚
次にヤマザキ春のパン祭りでお皿をもらっている人は、これまでに何枚のお皿をもらったのか?という点を見ていこう。
結論からすれば、今回の回答者がもらったお皿の平均枚数は5.7枚だった。
またもらっているお皿の枚数の分布を見ると、下図となる。
大きく見ると山がふたつあり、「5枚以下」のお皿をもらったグループが71.9%、「10枚以上」のお皿をもらったパン祭りガチ勢のグループが21.3%となっている。
よくある販促キャンペーンなら「1回参加しただけ」というライト層が多数派になりそうなものだが、ヤマザキ春のパン祭り参加者の層の厚さは異常ともいえる。
また景品のお皿を10枚以上もらっている人が、5人に1人の割合でいることも特筆すべきことだ。
これは「複数回春のパン祭りに参加している」という要因と、「1回の春のパン祭りで複数枚のお皿を獲得している」というふたつの要因が重なっていると考えられる。
春のパン祭りガチ勢の目線からすれば、単にお皿1枚がほしくて参加しているのではない。
――彼らはあくまでも「家族人数分のお皿がほしい」のである。
ちなみに今回の回答者の中で、景品のお皿の最多獲得枚数は40枚だった。
この数字が驚異的なのは、ヤマザキ春のパン祭りは2024年で44年目を迎えている。
つまり毎年1枚もらっていたとするなら、ほぼ皆勤賞ペースで春のパン祭りに参加し続けていることになる。
実際この40枚を獲得した戦士がどういう参加状況なのかは不明だが、春のパン祭りにはこうした歴戦の猛者もいることを忘れてはならない。
ヤマザキ春のパン祭りは懸賞の中でも別格
ところでこうした春のパン祭り参加者の温度感の高さを見ると、「春のパン祭りに限らず、単に懸賞好きな人たちが集まって盛り上がっているだけなのでは?」という疑問がわく。
しかし、実態はそうではない。
なんと半数近い46.7%の回答者は、ヤマザキ春のパン祭りだからこそ参加している人たちという結果となった。
春のパン祭り以外の懸賞に「あまり応募しない」(34.7%)と「まったく応募しない」(12.0%)を合わせると、先ほどの46.7%になる。
つまり、実質的に春のパン祭りだけは参加するという向きだ。
またほかの懸賞にも「少し応募する」という人も46.0%いるが、「かなり応募する」割合は7.3%に止まっており、懸賞好きが集まって盛り上がっているとは言いがたい状況であることがわかる。
これらのことから、普段懸賞に応募しない人もヤマザキ春のパン祭りにだけは集まってくるという、いわば懸賞界の中でも別格ともいえる存在である。
累計5億7000万枚の景品の皿は、一部の懸賞マニアだけではなく、幅広い国民に行き渡っているようだ。
ヤマザキ春のパン祭りの30ポイントを集めきるためのコツ
さてここまで読んでくれた方の中には、そんなにみんなが盛り上がっているなら「私もいっちょ祭りに乗ってみようかしら」と思った方もいるはずだ。
そんな方のために、この章では春のパン祭りの攻略方法を見ていくことにする。
まずは前提として、春のパン祭りでお皿を1枚もらうためのルールを確認しておこう。
▼ヤマザキ春のパン祭りのルール
・ヤマザキ製パンに貼ってあるシールを30ポイント分集める
・専用の台紙に貼り、販売店にもっていくとお皿と交換してくれる
ちなみに山崎製パンに貼ってあるシールは、1~3ポイントの間で商品ごとに異なり、「ダブルソフト」などの食パン系はポイントが高く、菓子パンや和洋菓子はポイントが低くなっている。
ミソは30ポイント集めると、必ずお皿と交換してもらえるという点でハズレがない。
一方で、30ポイントを貯めるのは一朝一夕ではまず不可能で、「ダブルソフト」だと60枚のあの分厚い食パンを消費する必要がある。
開催期間は例年だと「2月1日~4月30日」(北海道のみ「3月1日~5月31日」)の2か月で、この60日間毎朝欠かさずダブルソフトを1枚ずつ食べてようやく30ポイントが集まる計算となる。
山崎製パンも「頑張ればできるが、頑張らなければ達成できない」というストレッチゾーンに、的確にゴール設定をしてきているのだ。
それでは猛者たちに聞いた、ヤマザキ春のパン祭りを走りきるための攻略法ををご覧いただこう。
家族や周囲の万全なサポート体制を構築する
「家族の協力を得て、全員で一丸となって集めています」(49歳女性、累計獲得枚数35枚)
「家族や近くに住む親戚が多いので、シールを集めていることを伝えておけば比較的簡単にためることができます。いらない人はくれるので、コツはみんなに言う事です!」(33歳女性、累計獲得枚数10枚)
「職場の男子がお昼に山崎製パンを食べていたら、シールをもらっています」(45歳女性、累計獲得枚数20枚)
もしあなたが家族の人数分のお皿を獲得しようというのなら、家族など周囲からのサポートは不可欠だ。
家族3人なら90ポイント、4人なら120ポイントものポイントを、2か月の間に収集しなければならないからだ。
1月末には「向こう2か月は朝食はパン食で固定。かつ進ちょく状況によっては夕飯や間食にパンが出る日もあるからね」とコンセンサスを取り付けておく必要がある。
ちなみに親戚ならまだしも、友人や職場の同僚からもらうのはチートではないか?という声もあるだろう。
筆者も気になったので、山崎製パンのお客様相談室に電話して話を聞いたところ、
「お持ちになったシールとお皿を交換いたします」
という回答だった。
公式に「別にいいですよ」と言えるわけがないのだが、シールの「集め方」に関する規定はないので、協力を得られる人の力も借りておくのが得である。
食パンをメインのポイント源にする
「ロイヤルブレッドが2.5点だったのでパンを買うならそれ。あとはその期間の子どものおやつをシールがあるスティックパンやドーナツにしていました」(33歳女性、累計獲得枚数5枚)
「ダブルソフトの6枚切り食パンとかだと一個購入するごとに3点のシールがもらえるため多用する」(22歳女性、累計獲得枚数14枚)
なるべく出費を押さえて春のパン祭りのお皿を獲得したい方は、このように食パンをメインにポイントシールを獲得していくことが、もっとも費用対効果がよくなる。
もっというと、費用面で食パンの中でもっとも1ポイントあたりの獲得効率がいいのは、「ロイヤルブレッド」だ。
ただでも価格効率のいい食パンを、スーパーなどのセール品や見切り品を購入することで、さらに価格効率はよくなる。
「点数が高いパンが値引きになってるものを買う」(50歳女性、累計獲得枚数10枚)
このあたりのポイントの獲得効率は下記のブログ記事で詳しく解説されているので、参考にしていただきたい。
ペースが悪いときは菓子パンや総菜パンでブーストする
「できるだけ消費しやすいパンを買う。例えば、食パンだと点数の割になかなか減らないため、ドーナツのように点数はそこそこ高く、でもすぐに無くなるものを。料金は高くなるが点数は集まる」(48歳男性、累計獲得枚数8枚)
「ランチパックなど軽く食べられるパンを選ぶ」(35歳女性、累計獲得枚数12枚)
食パンをメインにポイント獲得源としていても、期間中には体調不良やシールの貼り忘れでペースが悪くなるときがある。
そんなときは、山崎製パンのポイントシールが貼られている菓子パンや総菜パンで後れを取り戻すことができる。
「ロイヤルブレッド」や「ダブルソフト」は価格効率の面では優れているが、1回の朝食で6枚の食パンを食べられる人は少ない。
だが、菓子パンや総菜パンなら朝食で2つくらいなら消費できる。
たとえば「ダブルソフト6枚」も3点だが、「ランチパック」もふたつで3点となる。
また多少お金をかけても手っ取り早く30ポイントを集めたい方なら、菓子パンや惣菜パンをメインに考えるといい。
パンに食べ飽きてきたらデイリーヤマザキに走る
「パン以外でもポイントがもらえるデイリーヤマザキを利用する」(45歳男性、累計獲得枚数10枚)
「中華まんや団子などパン以外についていることがあるので注意して見る」(39歳女性、累計獲得枚数27枚)
先にも見たように、ヤマザキ春のパン祭りの開催期間は2か月におよぶ長丁場だ。
がぜん途中でパンを食べ飽きてくるという事態も想定しておかなければならない。
そんなときはデイリーヤマザキへ走ることで、デイリーホット(デイリーヤマザキのオリジナルメニュー)のおにぎりや弁当でもシールを集めることができる。
またデイリーヤマザキでなくとも、パンのほかに団子や大福などにポイントシールが貼られているのでヤマザキ製パンのパン以外のメニューにも活路を見出せることがある。
まとめ
以上が、今回ヤマザキ春のパン祭りのお皿をもらう家族の特徴に関して調査したレポートだ。
最後に本調査の結論をおさらいしておくこと、下記になる。
▼本調査の結論
・ネタにされている春のパン祭りでお皿をもらう家族の特徴はほぼ当てはまらない
・景品のお皿が割れにくいという噂は8割が実感
・ヤマザキ春のパン祭りはよくある販促キャンペーンとは別格
祭りには古来より「踊る阿呆に、見る阿呆」という金言がある。
ヤマザキ春のパン祭りも、楽しんだもの勝ちである。
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