カラオケ店に客室を撮影している監視カメラ(防犯カメラ)はあるのだろうか?
筆者も中学生のときからローカルな噂話としてさまざまな説を耳にしてきたが、本当のところは多くの人が預かり知らないところではないだろうか。
もちろんカラオケともなれば、普段秘めたる己を思う存分さらけ出し、踊れや歌えやといきたいところではある。
しかしながら監視カメラで撮影されているとなると、話は別だ。
そこで【300人のホンネ】編集部では、カラオケ店の監視カメラの設置状況を、カラオケ店に従業員として勤務したことがある41名の男女に聞くことにした。
本稿の結論は、こうだ。
▼本調査の結論
・カラオケ店の5割には客室を撮影した監視カメラがある
・監視カメラがなくとも店員は室内を見ている
・カラオケ店でのイチャイチャ行為は非推奨
・カラオケ店での奇行も控えるべき
人によってはショックを受ける内容かもしれないが、ぜひ深呼吸をしながら最後まで目を通していただきたい。
カラオケ店に監視カメラはあると考えて行動すべき
早速結論から言えば、カラオケ店に監視カメラはあると考えて行動すべきだ。
というのも、カラオケ店の元従業員によれば、客室内を撮影している監視カメラがあったと回答したものが約半数もいるからだ。
もちろんこれを「カラオケ店の半分には監視カメラがないじゃないか」とポジティブに解釈することもできるのだが、冷静に考えてみてほしい。
たとえば「サイコロで偶数が出たら筆者がうすら寒い一発ギャグを披露するので、奇数が出たらあなたも一発ギャグをしてください」という勝負があったとして、あなたはこの勝負にノるだろうか?
当然ながら意味がわからないので、わざわざノらない人がほとんどだろう。
同じようにこの2回に1回の割合で顔から火が出るほど恥ずかしい思いをするリスクをとりたいと思う人は、極めて稀であるはずだ。
では、もう少しこのカラオケ店の監視カメラの設置状況については、掘り下げて見ていくことにする。
大手チェーンにはほぼ監視カメラがある
もしかすると読者の中には「そりゃ監視カメラを置いてるカラオケチェーンもあるだろうけど、ないところもあるのでは?」と疑念をもっている方もいるかもしれない。
そこでカラオケの大手チェーンごとに、客室内を撮影している監視カメラの設置状況をクロス集計した結果が下図だ。
結果として、大手のチェーン店のほとんどには、客室を映す監視カメラが少なからず設置されていることがわかる。
一点ご注意いただきたいのは、「歌広場」には監視カメラが設置されていないことになっているが、これはアテにしないでいただきたい。
というのも、今回の回答者数は41名しかおらず、またその中で歌広場の元従業員だった人も2名しかいなかった。
つまり「たまたま歌広場に勤務していた2名は監視カメラのある店舗ではなかった」という可能性が否定できないので、「歌広場には監視カメラがない」とは考えないようにしていただきたい。
また同様に「シダックスには全店舗監視カメラがある」とは、同様の理由でならないので注意が必要だ。
ただこうしてみると、大手のカラオケチェーンにはおおむね半分くらいの割合で監視カメラが設置されていることがわかる。
もっと言うと、元従業員の言葉によれば同じチェーンの同じ店舗内でも、監視カメラがある部屋とない部屋が存在するケースもある。
こうなると、あなたがカメラのある部屋を引くか、カメラのない部屋を引くかは、いよいよ運次第だ。
最悪のリスクは監視カメラに映っている自分の醜態をしっかりスタッフに見られ「おい、すげえ客いるぞ…!!」とスタッフ間の噂になってしまっていたり、最悪の場合だと警察に通報されることすらある。
こうなってはどのカラオケチェーンの、どの店舗の、どの客室に監視カメラがあるか?などと考えても徒労に終わってしまうので、カラオケ店には監視カメラがあるという前提で行動するのがいい。
2006年を境に設置状況は半数に増加
ところで読者の中には「昔は客室を撮影する監視カメラがあったかもしれないけど、プライバシーにうるさい現在はなくなってきてるんじゃないか?」と考える人もいるかもしれない。
しかし実態は、むしろ逆である。
上表を素直に見れば、むしろ1996~2005年あたりまでは客室を映す監視カメラが設置されているカラオケ店は3割程度しかなかったことがわかる。
ところが「2006~2010年」を境にして、客室を撮影する監視カメラの存在は50.0%前後まで増加している。
この割合は近年においても同じで、やはり半数くらいのカラオケ店には客室を映す監視カメラがあるようだ。
つまり昔は監視カメラがあったのではなく、昔のほうが監視カメラはなかったのだ。
ちなみにカラオケ店の客室内を撮影するのはプライバシーの侵害にならないのか?という疑問もあるかもしれない。
だがカラオケ店の客室というのは、ホテルなどの客室と異なり、プライベートな空間ではなく「公共の場」という判断になりがちだ。
というのもカラオケ店の客室は鍵をかけることもできないし、ましてドアはガラス張りになっていることが多く、不特定多数の人が室内がうかがい知ることができる状態だからである。
客室内を撮影する監視カメラの是非は本稿の主旨とは異なるので詳しくは触れないが、カラオケ店としてはあくまで公共の空間に監視カメラをおいているだけ、という話になるのだろう。
カラオケ店でのイチャイチャはおすすめできない
さてここまで見ればおおむね想像はつくと思うが、カラオケ店をカップルで訪れイチャイチャする場として適しているのだろうか?
結論は、やはりおすすめできない。
カラオケでつい気分が高揚して、恋人とスキンシップをとりたくなってしまう気持ちはわかる。
でもそれは得策ではない。
実際にカラオケ店の元従業員に聞いたところ、75.6%が少なからずおすすめできないと回答している。
もちろんこのおすすめできない背景には、「監視カメラがあるから」という理由もある。
ただ先ほど見た調査結果では、監視カメラがあるカラオケ店はおおむね5割の割合だった。
その5割を大きく超える元従業員たちが、カラオケ店でイチャイチャすることを否定的に見ている。
どういうわけだろうか?
そこには監視カメラ以外の理由も存在していることになる。
カラオケ店員の6割以上がイチャイチャ現場を目撃
結論をいえば、おすすめできない理由はカラオケ店内におけるイチャイチャ現行犯の現場は押さえられやすいからだ。
まず店員は、飲食物をもって客室に出入りする。
またカラオケ店の客室は先ほども言ったように、厳密にはプライベート空間ではない。
つまり廊下から室内の様子が思っている以上に見えるのだ。
実際に元従業員に聞くと、63.4%もの店員がイチャイチャ現行犯の現場を、それなりの頻度で目撃している。
実際に元従業員たちの声を紹介すると、このような声が多かった。
「想像以上に廊下のところから丸見えなので、とくに女の子は気をつけたほうがいいと思います」(25歳男性、2019年まで勤務)
「ドアから室内が見える。ドリンクを持っていく時そういう場面に出くわすと気まずいので、中を確認してから強めにノックしていました」(36歳女性、2007年まで勤務)
もしあなたがこれまでに「イチャイチャしててもバレたことがない」なんて思っているのであれば、それは店員さんたちの優しい気遣いでそう思えているだけかもしれない。
もちろん事後の部屋を次に利用することになる別のお客さんの迷惑という観点もある。
いずれにせよ、カラオケ店でのイチャイチャは、人前でもできるスキンシップに止めておくのがいいだろう。
個室内の奇行を7割以上の店員が目撃している
さらにいうと、カップルのイチャイチャ現場よりも店員からの遭遇率が高いのが、客室内で行われる奇行である。
実にカラオケ店員の78.0%が、カラオケ客たちの奇行に遭遇している。
具体的な奇行については次の章で見ることにするが、ここでいう奇行は熱唱したり踊っていることではない。
現に元従業員の声を借りると、
「踊ったりノリノリだったりすることは、恥ずかしいことではない」(40歳女性、2010年まで勤務)
であり、店員さんたちの目からすれば日常の風景でしかなく、そんな光景はとっくの昔に見飽きていると言ってもいい。
ここまで調査結果を見て、もしかしたらカラオケ店で盛り上がること自体に気兼ねを感じてしまった方もいるかもしれないが、そんな心配は一切無用である。
むしろカラオケ店とは思う存分歌ったり踊ったりしていいお店なので、監視カメラでモニタされていようが、廊下から踊っている姿が見えていようが、構うことはない。
――「続行」である!
店員さんの目からしても、お通夜のように盛り下がった部屋があれば、逆にそっちのほうが気になってしまう可能性すらあるのだ。
カラオケ店では心ゆくまで気持ちよく歌い上げ、踊ってしまっても問題ない。
カラオケ店員が目撃した客室内の奇行集
では最後に、そんなカラオケ店員ですら驚く奇行とはなんなのか?について紹介することにしよう。
客室内での奇行は数多くの声が寄せられたが、いくつかパターン化できそうなものもあるので、それらをまとめて見ていくことにしょう。
アーティストが降りてきた客
「X JAPANの紅の曲に合わせて壁を蹴っていたり叫んだりするお客様がいた。さすがに怖かった」(34歳男性、山口県)
「郷ひろみさんの歌に合わせて、中年のおじさんがひとりで踊りながら歌っていました。私がフードを持って行った際、私に向けてウインクや投げキッスの仕草までしてきて怖くなりました」(36歳女性、東京都)
もちろんカラオケ店でアーティストになりきって歌いあげること自体には、なんの罪もない。
ただその結果、降りてきてしまったアーティストが過激なライブパフォーマンスを行うアーティストだったり、歌っている人とギャップがありすぎる場合は奇行と映ってしまうおそれがある。
裸祭り実行委員会な客
「男性約10名くらい全員裸で大合唱していた」(44歳男性、埼玉県)
「男性グループで8割が裸でした 笑」(38歳男性、大阪府)
「ホール担当だった時にノックして扉を開けたら、その部屋を利用していた男性の方が全員裸でノリノリで踊ってました。ノリノリだったので、恥ずかしいと、思われているのかはわかりませんが、こちらは感情を無にして、オーダーを置いて、すぐ部屋を去りました」(46歳女性、大阪府)
全国各地からこうした奇行が目撃談があがっているが、恐ろしいことにいずれも共通点がある。
・男性のみのグループ客
・ノリノリである
・みんなで合唱している
・裸の状態のまま店員さんを呼ぶ
筆者も男性なので、まったく理解できない奇行か?と問われると、そういうわけでもない。
男性のみのグループに大量の酒とカラオケ機器が投入されると、こういう状態になってしまうのはある意味必然なのかもしれない。
またこれらの変種としては、このような報告も上がっている。
「室内にいる全員がなぜかプロレスのマスクを被って上半身を脱いで、プロレスラーの歌をみんなで熱唱しているところを目撃しました」(42歳男性、埼玉県)
オフ会かなんかなのかはわからないが、なぜこの状態で店員さんを呼ぶのか?
ただし先述した通り、カラオケルームはあくまで公共の場なので、あしからず。
その他の奇行集
「お〇丸出しで、ケ〇毛をムシって周りに投げつけていた」(51歳男性、神奈川県)
「テーブルの上に乗った男性が、女性の服に顔を突っ込んだまま静止していた」(46歳女性、北海道)
どういういきさつでこの状況に陥ったのかかなり気になるところだが、早い話がやりたい放題である…。
またさすがにここまでいくと、盛り上がりとは異なり奇行以外の何物でもないことになってしまう。
もちろんこれらの奇行はスタッフ間でネタとして共有され、会計時のときに「うわ…あの部屋の人だ…!」という視線で見られることになる。
監視カメラの有無以前の問題な部分もあるが、カラオケ店での度を越した奇行は監視カメラに録画されるどころではなく、警察沙汰になってもおかしくないので、やはり自制することをおすすめする。
まとめ
以上が元カラオケ店従業員41名に聞いた調査結果である。
本調査の結論をおさらいしておくと、このようになる。
▼本調査の結論
・カラオケ店の5割には客室を撮影した監視カメラがある
・監視カメラがなくとも店員は室内を見ている
・カラオケ店でのイチャイチャ行為は非推奨
・カラオケ店での奇行も控えるべき
カラオケで気持ちよく歌えばストレスも発散できるし、気分も高揚する。
ただしカラオケの客室はあなたのものではないので、誰かに見られて赤っ恥をかくような行為は慎むことをおすすめする。
アンケート実施方法
アンケート実施法
・アンケート方法 インターネット上でアンケートを実施
・回答者数 既婚女性124名
・調査日 2023年6月21~23日
・設問は単一選択式、自由記入式
・調査主体 【300人のホンネ】編集部
・回答者平均年齢30.2歳
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