「天は二物を与えず」とはいうものの、歴史に名を残すほどの偉業を成し遂げただけでは飽き足らず、さらにイケメンでもあるという人物は少なからず存在する。
では一体そんな二物も三物も与えられている人物の中で、一番イケメンなのは誰なのだろうか?
そこで今回は全国歴史好きな女性65名にアンケート調査をおこない、歴史上の人物でもっともイケメンな男性を決めてみよう思う。
女性65人が選ぶ歴史上の人物でイケメンだと思う男性ランキング
では早速、女性65人が選ぶもっともイケメンだと思う歴史上の人物をランキング形式で見ていくことにしよう。
はじめに今回イケメンとして挙げられた歴史上の人物は多岐にわたったが、イケメンTOP3の上位陣は安定的な票を獲得している。
まずはイケメンランキング同率4位までの歴史上の人物8名をピックアップして紹介したい。
【1位】土方歳三(24票)

堂々の1位は土方歳三で、2位と倍以上の得票数を引き離す、ぶっちぎりのナンバー1イケメンとなった。
新撰組の鬼の副長と恐れられた人物だが、その生涯は司馬遼太郎の「燃えよ剣」をはじめ、多くの作品で描かれており、戊辰戦争では最後まで徳川幕府の「武士」として生涯をまっとうするなど、容姿だけでなく生きざままでイケメンだ。
「現代でも誰がみてもキレイな顔立ちでとてもかっこいいと思います。最後まで戦い続けたところも素敵です」(34歳女性)
「残されている写真を見ると、かなりのイケメン。現代の俳優にもいるような顔立ちだと思う」(67歳女性)
実際に土方自身も新撰組副長を勤めた京都時代に、芸妓などからもらった多くのラブレターをわざわざ親戚に送り付け「モテてモテて困ってます…」など、モテ自慢というか、もはや煽りと受け取ったほうがいいやりとりを残している。
土方歳三のイケメンっぷりは、幕末から現代まで脈々と生き続けている。
【2位】坂本龍馬(10票)

続いて2位にランクインしたのは、土方歳三と同じ幕末期を生きた坂本龍馬だった。
坂本龍馬の生涯も司馬遼太郎作の「竜馬がゆく」をはじめ数々作品化されており、その生きざまは現代においても多くのファンを獲得している。
「時代を切り開く先見の明と、どんな人ともわけ隔てなく接する器の大きさが魅力的。見た目のイケメンさというよりも、その行動力とカリスマ性が圧倒的にかっこいい。幕末の混乱の中で、藩の枠を超えて日本の未来を考え、奔走する姿はまさに「イケメン」と呼ぶにふさわしい」(33歳女性)
「写真から見て取れる、男らしさと、堂々としている風格。日本の未来を第一に考え、生涯を駆け抜けた行動力」(31歳女性)
このように坂本龍馬はその行動力と実行力を評価されてランクインした。
ただし、である。
今回は人気投票ではなく、あくまでイケメンランキングである。
坂本龍馬が魅力的な男性であることは疑いないが、「坂本龍馬の容姿はイケメンか?」と問われると、同性の筆者から見ても素直に首を縦に振れないところがある。
まして「風呂に入らない」や、江戸での剣術修行時代に恋仲になった千葉佐那との「結婚するする詐欺」など、女性からは忌み嫌われてもおかしくないエピソードまである。
そこで髪型や風貌が独特すぎてイケメン判定が難しくなっているところがあると思われるので、現代風の髪型に差し替えてAI生成してみた結果が下図だ。

筆者はなぜか「休日にフットサルやってそう」という印象を強く抱いたが、あなたはどう思われただろうか?
【3位】織田信長(7票)

歴史上の人物イケメンランキング3位にランクインしたのは、戦国の風雲児、織田信長だった。
幕末や戦国時代など、動乱の時代に生きた人物は作品化されやすく、それゆえ人気も集まりやすい傾向が見られる。
「生き方、考え方がかっこいい。戦国時代のあの頃に洋装にしていたり、とてもおしゃれだった」(55歳女性)
「細身で顔も細長くスタイル抜群とお見受けしたから」(45歳女性)
確かにおしゃれでスタイリッシュという観点で歴史上の人物を見たとき、織田信長の右に出る人物はいないかもしれない。
本能寺での最期に及んでは、「人間五十年~」を唄い、幸若舞を舞ったというエピソードまでおしゃれである。
【4位】マシュー・ペリー(2票)

ここからは同率4位の歴史上のイケメンが4人続く。
まずはマシュー・ペリー、いわゆるペリー提督だ。
日本が近代化に向かう引き金を引いた「黒船来航」を率いた人物で、幕府側からは度重なるたらい回しを受けながらも、日米和親条約の締結に漕ぎつけた。
実は上記の写真はかなり晩年に撮られた写真で、60歳前後の姿だったのでイケメンというかイケオジと言ったほうが正確だ。
「大男でカッコいい」(36歳女性)
「キリッとした勇ましさを感じる」(30歳女性)
一説では身長が190cmほどあったということから、高身長・高軍歴のイケオジといえる。
【4位】織田信福(おだのぶよし、2票)
同率4位にランクインした次の歴史上の人物は、織田信福だ。
「誰?」と思う方もいるかもしれないが、経歴としては板垣退助が率いる自由民権運動に参加しながら、日本初の歯科医となった人物だ。
この人物が有名になった経緯が面白く、高知の歯科医が創業者として織田信福の画像をホームページに掲載したところ、イケメンとして一気にバズった。
もちろん織田信福が創立した歯科医は、2025年現在でも高知に現存している。
「自由民権運動をされていた方ですが、見た目が現代でも通じるほどイケメン。明治のオダギリジョーとネットでは密かに呼ばれていて、現代に存在していてもモテていそう」(45歳女性)
【4位】伊達政宗(2票)

戦国時代からは伊達政宗も同率4位で、イケメンランキングにランクインした。
伊達政宗は知名度こそ高いが、具体的に何をした人かはそこまで有名ではない。
そのため軽く経歴に触れておくと、政宗はまず奥州(東北地方)という当時の都より50年ほど遅れていた地方を、活性化させた戦国大名だ。
また秀吉・家康という時の権力者から怒りを買い、何度も処刑されそうになるが、知略や機転を駆使してことごとく生き延びるという伝説の持ち主でもある。
「料理を嗜まれ、「馳走とは旬の品をさりげなく出し、主人自ら調理して、もてなすことである」という現代ならモテ要素につながる逸話がある点」(32歳女性)
意中の女性に対しても、きめ細かい心配りができそうなイケメンぶりが確認できる。
【4位】芥川龍之介(2票)

芥川龍之介は大正~昭和(戦前)にかけて活躍した作家で、代表作には「羅城門」や「鼻」などが挙げられる。
東京帝国大学(現在の東大)卒の高学歴であり、当時の平均身長からすれば10cmほど高い高身長(167cm)と、モテ要素は確かにある。
また重度の借金癖がある石川啄木やギャンブル狂いの菊池寛、えぐい性癖をもつ谷崎潤一郎など当時のほかの作家たちと比べれば、品行もそれほど悪くないのもGoodポイントだ。
「端正な顔立ちとインテリジェントな雰囲気があり、写真を見ると「知的なイケメン」といった印象を受けるから」(23歳女性)
【4位】沖田総司(2票)
同率4位で最後にランクインしたのは、土方と同じ新撰組の沖田総司だった。
確かに新撰組でも1、2を争うほどの天才剣士であり、結核で吐血するところや、夭折してしまうあたりなどはモテ要素が確かにある人物だ。
ただしこのイケメン判定は、かなり真偽が怪しい。
というのも沖田総司は現存する写真がないというのが正しく、いま出回っている沖田総司の写真はあくまで別人か、証言をもとに作られた肖像である。
またイケメンであることものちの世の創作上の設定であり、実際は「ヒラメのような顔だった」という新撰組の同僚からの証言があるなど、かなり疑わしい。
このように「いわく」はつくものの、なぜか創作上の沖田総司はイケメンと相場が決まっているため、イメージでランクインした。
「漫画やゲームに描かれている見た目が好き」(41歳女性)
その他のイケメンな歴史上人物
ここまでは女性による投票でのイケメンランキングを見てきた。
だが惜しくも上位にランクインしなかったものの、もっと評価されていいと思われるイケメンたちを何人かピックアップして紹介する。
中原中也

中原中也は大正~昭和期にかけて活躍した詩人で、代表作に「山羊の歌」やフランスの詩人ランボーの翻訳がある。
芥川龍之介のところでも触れたが、中原中也はこの時代の文人らしい悪癖をもっている。
ぱっと見は男性アイドルグループに所属していそうな雰囲気だが、ゴリゴリの不良少年であり、バキバキの酒乱である。
彼に拳や瓶ビールで殴られた作家は数多くいるが、書く詩はどこか幻想的で日本ではない遠い異国の風景を見ているかのような感覚を抱かせる。
「顔が現代的でかっこいいし、生き方は破天荒なのに繊細な部分があるのがすごいイケメンだと思う」(40歳女性)
東郷平八郎

東郷平八郎は日露戦争時に日本海海戦でバルチック艦隊を撃破し、日本の勝利に大きく貢献した海軍軍人だ。
イケメンという言葉で表現することがためらわれるほどだが、各地で「東郷神社」という神社が建てられるほど、神格化された人物でもある。
「目がくりっとしていて、少しハーフっぽい顔立ちだからです」(31歳女性)
薩摩藩出身のチャキチャキの九州男児でもあるため、男性に男らしさを求める女性にはこの上ない存在といえるかもしれない。
最後にこれまで見てきたいイケメンも含め、今回のイケメンランキングの全体を掲載しておく。
ご興味のある方は、タップしてランキング表をご覧いただきたい。
▼タップするとランキング表が開きます
順位 | 人物名 | 票数 |
---|---|---|
1 | 土方歳三 | 24 |
2 | 坂本龍馬 | 10 |
3 | 織田信長 | 7 |
4 | ペリー | 2 |
4 | 伊達政宗 | 2 |
4 | 沖田総司 | 2 |
4 | 芥川龍之介 | 2 |
4 | 織田信福 | 2 |
9 | アレクサンドロス大王 | 1 |
9 | バイロン(詩人) | 1 |
9 | 宇喜田秀家 | 1 |
9 | 夏目漱石 | 1 |
9 | 黒田官兵衛 | 1 |
9 | 渋沢栄一 | 1 |
9 | 上杉謙信 | 1 |
9 | 真田幸村 | 1 |
9 | 杉原千畝 | 1 |
9 | 足利直義 | 1 |
9 | 中原中也 | 1 |
9 | 天草四郎 | 1 |
9 | 東郷平八郎 | 1 |
9 | 徳川家康 | 1 |
女性65人が選ぶ歴史上の人物で絶対に付き合いたくない非モテラキング
さてここまでは、女性が選ぶ歴史上の人物のイケメンランキングを見てきた。
ここからは逆方向、つまり「こんな男とは絶対に付き合いたくない」と女性に思わせる歴史上の人物の非モテランキングも見ておくことにしたい。
ここでは上位3名と、言われてみれば「確かにそうかも…」と感じてしまう人物をピックアップして紹介する。
【1位】織田信長

歴史上非モテランキングの第1位は、なんとイケメンランキングで3位にランクインしていた織田信長だった。
実際の回答者女性の声で見ると、このような理由からだった。
「怒ると手がつけられなくなりそうだし 毎日 ビクビクして顔色を伺いながら過ごすのは嫌だから」(42歳女性)
「残虐で気難しそうで、すぐ処刑されそう」(35歳女性)
謀反を起こすほど明智光秀を追い詰めたり、戦功を上げられない武将にはパワハラMAXの書状を送っていたりと、仕事に厳しい一面が確かに織田信長にはある。
また信長は自分の叔母である「おつやの方」を、逆さ磔にしたうえで処刑しており、その雷は男女問わず落ちている。
確かにそういう人と一緒に暮らすとなると、窒息しそうな生活が容易に想像できることから、非モテランキングの堂々第1位は織田信長の頭上に加害や下。
【2位】豊臣秀吉

織田信長に続き、非モテランキング2位に輝いたのは、その元部下である豊臣秀吉だった。
選考理由は、このようなものからだった。
「サル顔が嫌いなので、どうしても受けつけない」(50歳女性)
「ハゲネズミと呼ばれているところや、女癖が悪いとか、狡猾な感じとか、何となく生理的に無理と思うようなイメージがあります。秀吉さん何も知らないのにイメージで言ってごめんなさい」(44歳女性)
信長は怒ったときの恐さから女性に敬遠されていたが、秀吉は見事なまでに容姿のイメージで毛嫌いされている。
こうして見ると、信長系列のメンバーはリーダーを筆頭に女性受けしないメンツで固められているのかもしれない。
ただし実際は時の権力者でもあり、晩年まで世継ぎである子どもに恵まれなかったことから、秀吉の側室は300人とする説まであり、日本史上最高のリア充と言えるかもしれない。
もちろんこうした見境いなく女性に手をつけていく姿勢も、また非モテ要素のひとつとなるのだが…
【3位】渋沢栄一

続いて非モテランキング第3位は、日本の資本主義の父、渋沢栄一がランクインした。
新一万円札の人物に選ばれたり、2021年に放送された大河ドラマ「晴天を衝け」の主人公であった影響もあると思われるが、残念ながら悪名のほうも高くなってしまったようだ。
「女性にだらしないから」(30歳女性)
「女性関係がスゴいみたいなので、遠慮したい」(48歳女性)
モテているのか非モテなのかよくわからなくなってくるが、その生涯に生まれた子どもの数は50人とも100人とも言われており、最後に作った子どもは渋沢が68歳の時に生まれたと言われている。
さらに渋沢一家は妾とその間に生まれた子とも同居しており、真のビッグダディとは渋沢のことを指すといっても過言ではない。
次々と自宅に見知らぬ女性と子を連れ込んでくる渋沢に対して、正気を保っていられる女性もまた傑物というよりほかない。
その他の歴史上の非モテ男性
さてここからは票数が集まらずランクインこそしなかったものの、「言われてみれば確かに…」と納得してしまう歴史上の非モテ男性を見ていくことにしよう。
まずその先鋒がチンギス・ハンだ。
「モンゴル帝国を築いた偉大なリーダーだが、敵対勢力を無差別に排除し、多くの人命を奪ったため、情緒的な繊細さや家庭生活の安定を求めるのは難しそうだから。多妻制だった点も、パートナーとして選びたくない」(23歳女性)
多妻制といえばその通りなのだが、チンギス・ハンにもなると正妻以外にも後宮があり、一説によると500人の愛妾がいたと言われている。
どれだけ愛し、愛されようが1/500人だ。
女性目線からすれば、1度会えば次に会うのは最短でも1年半以上先ということになり、その間ほかの女性にうつつを抜かされ放題となる。
現代の結婚感覚からは想像もできないが、渋沢栄一と同様に、ある意味モテすぎた結果、女性からは忌避されるケースといえる。
次に名前が挙がった非モテ男性は小説家「太宰治」だ。
「すぐに心中したがるから」(47歳女性)
太宰は現代でいうところのヤンデレ彼氏の強化版といったところで、生涯で3回(一説では4回)にわたって異なる女性と心中を図っている。
中原中也の箇所でも触れたが、この明治後期~戦前時代の文人は人としてやってはいけないことをやりたがる人たちで固められていて、太宰はその最たる存在と言える。
女性目線に立てば、もっとも付き合ってはいけない歴史上の人物といっても過言ではない。
最後に紹介する歴史上の非モテ人物は、「全員」という声だ。
「歴史上の人物の恋人や妻なんて大変そうすぎるから、全員イヤです」(41歳女性)
これまで見てきた通り、歴史に名を残すような人物の一生は波乱万丈としか言いようがない。
その伴侶として浮き沈みに付き添うことになるわけで、濃すぎる一生になることはほぼ確約されている。
まして国のために日々奔走しているわけで、家庭がほったらかしになっている期間もかなり長いことが容易に想像される。
家事や育児の分担を求められるような空気ではないことは確かだ。
これらを考えると、人並みの幸せを求める女性にとって、歴史上の人物という時点で恋愛対象から外すという声も、確かに納得できるところがある。
まとめ
以上、歴史上のイケメンランキングと同時に、絶対に付き合いたくない非モテランキングも見てきた。
改めて歴史上の人物のイケメンランキングを見ると、現代のイケメンランキングに並んでいる男性陣とは雰囲気がまったく異なる男性が並んでいる。
つまりイケメンには2つのパターンあり、どの時代においても通じるワイルドカードのようなイケメンと、その時代時代で刺さる一過性のイケメンが存在する可能性が考えられる。
そして歴史上のイケメンたちは、この前者と位置付けられるのかもしれない。
アンケートについて
アンケート実施法
・アンケート方法 インターネット上でアンケートを実施
・回答者数 全国の女性65人
・調査日 2025年1月17~21日
・設問は複数選択式、自由記入式
・調査主体 【300人のホンネ】編集部
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