あなたはLINEで別れ話を済ませたいけど、「LINEで」という連絡手段に引っ掛かりを感じているのではないだろうか?
さらに言えばあなたは「飛ぶ鳥あとを濁さず」で、いくら別れを告げ今後は他人に戻る相手とはいえ、最後の最後でひどい印象を与えてしまったり、別れ話がこじれてしまうことを恐れているのではないだろうか?
なにも考えずにLINEで別れ話をすると、あなたのそうした懸念は高い確率で現実になる。
実際に「LINEで別れ話をされる」ことに、強い不快感や拒絶を示す人もかなり多いからだ。
しかしたとえLINEであっても、やり方さえ間違わなければ、直接会わずにLINEだけで別れ話を完結させることができる。
またそれだけでなく、ふたりの関係の終わりという目的地に向かってソフトランディングするための方法もある。
本稿では、男性143人/女性150人の計293人にアンケート調査を実施し、LINEで別れ話を完結させるための具体的なメソッドを導き出した。
▼本調査の結論
・LINEで別れ話をされるのは男女ともに7割が「不快」
・話し合える余地さえあればLINEで別れ話を完結させることもできる
・別れたい理由で納得を得られやすいのは「性格や価値観の不一致」
いくら別れたい相手とはいえ、別れを切り出すのは勇気がいる。
しかしながら本稿を読み終わるころには、具体的にLINEで別れ話をどのように進めればいいのか?が手に取るようにイメージできるようになっているだろう。
LINEで別れ話をされるのは男女ともに7割が「不快」
早速だが、LINEで別れ話をするのはアリなのかナシなのか?を見ていくことにしよう。
もちろんこれから別れ話をLINEでしていいものか悩んでいる人は、「LINEってどうなのかなぁ?」と思っているから、本稿を読んでくれているはずだ。
そのため「どうなのかな?」と思っている時点で「あまりよくはないんだろうな」とイメージしているわけで、やや当たり前の話にはなるが確認の意味で、ザっと目を通していただきたい。
結論からいえば、LINEで別れ話をするのはアリ・ナシで言ったら、男女ともに「完全にナシ」ある。
ナシ派(「やや不快」と「かなり不快」)は、女性で79.3%、男性で68.6%も占める。
一方でアリ派(「大変ありがたい」と「ややありがたい」)は女性で14.7%。男性で25.2%に止まった。
特に女性ではナシ派の勢力が一層強く、「かなり不快」と強い不快感を示した女性が51.3%にも昇った。
ところでLINEは、ここ10年ちょっと以内に急速にインフラ化した連絡手段である。
そのため今回の回答者の中には話がしたければ「家電で恋人を呼び出すのが当たり前だった」という世代もいるわけで、LINEという連絡手段そのものに、世代間のイメージのギャップがあると考えられる。
そこで先ほどのLINEでの別れ話はアリか?ナシか?に対する回答を、年齢別に集計し直した結果が下図だ。
まず年齢別の傾向を大きく見ると、男性だと年齢層が上がるにしたがって、ナシ派の比率が高まっていくというおおまかな傾向がみられる。
20代男性ではLINEでの別れ話はナシ派が63.0%だが、40代にもなると73.2%にまで上昇しているからだ。
一方で、女性は男性とは逆で、年齢が下がるにつれてナシ派の割合が大きくなっていく。
40代女性では72.4%だったナシ派の割合が、20代女性では85.0%にまで上昇している。
言い方を変えれば、特に20代女性にLINEで別れ話を切り出すのは、苦情を言いに来たお客さんをもう一度怒らせてからカスタマーサポートに入ろうとしているようなもので、まったく利がない。
このように性別や年齢別で違いが見られるのは面白いところだが、往々にしてLINEで別れ話を切りだされるのは、不快に感じる男女が多数派であるということが確認できた。
では、一体LINEで別れ話をされることに対して多くの男女が不快感を感じるのはなぜなのだろうか?
この不快に感じる理由を、もう少し掘り下げてみることにしよう。
LINEで別れ話をされるのが不快な理由
LINEで別れ話をされることを不快に感じる理由は、男女ですこし異なることがわかった。
まずは結果から、ご覧いただきたい。
男性が不快に感じる主だった理由は、「連絡手段として不適切だから」(44.3%)という理由だった。
具体的に回答者男性の言葉を借りると、このようなものだ。
「実際に会って話をしてもらいたいからです」(32歳男性)
「別れる時くらいしっかり話をして別れたいと思うので、不快に思う」(37歳男性)
男性はこのように別れの際は、まず「じっくり話し合いたい」という気持ちが先立つ人が多かった。
じっくり話し合ううえで、返信の待ち時間が生じるLINEよりも、口頭で話した方がスピーディで情報伝達量があがるため、LINEは適さないという判断になるようだ。
またじっくり話し合うことで「別れるという決定事項をまだ覆せるかもしれない」という野心も、いくぶんか含まれているのが本音だろう。
これに加えエチケットやマナーに似たような感覚から不快と感じる人も多く、大事な用件があるときは直接会いに行くのが当然と考える人も多かった。
「当日会社を休む時も上司に電話して了承してもらいます。LINEやメール連絡はまずないと思います。2人が別れる場合も、話し合いになるとこじれるかもしれませんが、最低電話だと思います」(46歳男性)
特に社会人の場合は、メールやチャットで済ませていい用件/電話を入れなければならない用件/先方のところに出向かねばならない用件を、社会人のマナーとして教えられている人も多く、それがその人にとっての「当たり前」になっていることがうかがえる。
それまでベタベタに仲良くしていたところに、急にマナーを持ち出されても困惑するかもしれないが、親しき仲にも礼儀ありということだろう。
一方で、女性のほうは「不誠実に感じる」(53.8%)という理由が主だった理由だった。
実際の回答者の言葉は、このようなものである。
「最後になるのかもしれないのに、話し合いを避けているようで腹が立つ」(29際女性)
「別れるための労力を極限まで削減した行為だと思うから」(36歳女性)
簡潔にいうなれば、「私と別れたいのなら、私の気が済むまで労力を惜しむな」というところが本音ではないだろうか。
いずれにせよ多数派の男性は「話し合いしづらいから」、多数派の女性は「話し合う労力を省こうとしているから」というところが不快ポイントであることが確認できた。
またここから、別れの場面においては、「話し合う」というプロセスを踏むことが重要で、不可欠であることもわかる。
好意がさほどない相手ならLINEで別れ話をされる評価は逆転
ところで話は少々逸れるが、もしLINEで別れ話をしてきた交際相手がたいして好きでもない冷めきった間柄だった場合はどうなるのだろう?
結果は、これまでのものとは真逆に振れた。
女性の73.3%、男性の66.5%がLINEでの別れ話のアリ派に転じ、多数派となった。
「社会人としてのマナーがどうとか、誠意がどうこうって言ってませんでしたっけ…?」と思わざるをえないほどの手のひら返しだが、愛情の冷めきった交際相手ならむしろ「LINEのほうが助かる」という心境になるようだ。
前章で見たようにLINEで別れ話をされることへの不快感が強いのは、こうした「どうでもいい相手にとるような行為」が連想される面もあるのだろう。
だが、相手の自分への好意が明確に冷めていることがわかるケースでは、LINEでの別れ話は有効となる。
たとえば、事故や病気などの事情もないのにLINEを何通送っても何週間も放置されているような相手であったり、現在進行形でほかの異性との浮気に熱をあげているような相手の場合だ。
このような相手が冷めきっている場合は、LINEで1文送るだけで事足りる。
しかもお互いに「秒で破局できたぞ!」と喜べるわけだから、感謝されるまであり得る。
一方で、相手があなたに対して明確に好意をもっている場合や、どう思っているのか判断がつかないときには、やはりLINEで別れ話という手はなるべくとらないほうがいい。
別れ話を了承してもらうには「直接会って話す」のが無難
ここまではLINEで別れ話をすることが、例外を除いていかに不快に思われることなのかを見てきた。
ではLINEがダメなら、どういう連絡手段であれば不快に思われないのだろうか?
そこで振られる側が別れ話を了承するために、必要なプロセスを聞いた結果が下図だ。
結果は、男女ともに「LINEだけでも了承する派」と「直接会うまでは了承しない派」に分かれた。
「LINEだけでも了承する派」はなんとも解釈が難しいところだが、「LINEで別れ話をされるのは不快だけど、LINEでちゃんと話し合うのなら応じるよ」ということなのだろう。
ただしそれと同じくらいの割合で「直接会うまで話し合いには応じない」という強硬姿勢の人たちもいる。
あなたの交際相手がどちらのタイプの人間かはわからないが、無難なのは「直接会って話す」ことに尽きる。
なぜならあなたが望むものはなるべくスムーズに別れ話が決議され、ふたりの関係性が終焉に向けてソフトランディングすることであるはずだからだ。
少なくとも別れ際に大げんかになったり、「あなたとは絶対に別れない!」などと相手が意固地になり別れ話がこじれてしまうようなハードランディングは避けたいと願っているはずだ。
どのみち相手がある程度納得するまで話し合うことは避けられないので、長時間のLINEのやりとりをすることを我慢するよりも、小一時間カフェで話し合ったほうが早いという利点もある。
ただし、である。
本稿を読んでいる方の中には「無難な手はそうかもしれないけど、直接会って話をしたくないからLINEで別れ話をすることを視野に入れているのだ」という方もいるはずだ。
そこで本稿ではもう一歩突っ込んで、これ以降はLINEで別れ話を完結させる方策について考えていくことにしたい。
LINEで別れ話を完結させるためには「話し合いの余地」が必要
不快には思われるかもしれないが、それでもLINEで別れ話を完結させるための方策を考えるにあたり、まずはLINEで別れ話をすることのいい面にも目を向けてみよう。
ヒントを探るために、いったんLINEで別れ話をされることに対してアリ派の人たちの声にも耳を傾けることにする。
LINEでの別れ話がアリ派の人たちは、このような理由からだった。
アリ派の目立った理由は、「冷静に話ができる」が男女ともにもっとも多い理由(女性40.9%、男性35.1%)だった。
ちょっとイメージしづらいところもあるので、実際の回答者の言葉をご覧いただこう。
「直接顔を見て言われてしまうと、パニックになって怒ったり、理由を問い詰めたり、泣いたりしてしまいそうなので」(28歳女性)
「会話のように即答ではなく、多少なりともメッセージを送信する間に、冷静に考えることができるため」(49歳男性)
別れ話に付きものなのはどちらかが逆上してしまい、恨みつらみの罵り合いに終始するという展開だ。
まして別れを切り出すほうも言い出しにくいことをあえて口にしているわけで、とても平静な状態ではない。
そのためつい言い方がきつくなってしまったり、要領を得ない受け答えを繰り返してしまうことは十分に考えられる。
その点LINEでの別れ話であれば、お互い言葉をチョイスする時間的余裕も得られるし、返す刀で「あなたもあの時こんなひどいことやったじゃないか!」などと余計な一言を発してしまうリスクも軽減できる。
おさらいするが、LINEでの別れ話を不快に感じるのはこうした理由からだった。
▼LINEで別れ話をされることへの不快ポイント
・男性→話し合いがしづらいから
・女性→話し合う労力を省くほど軽視されているように感じるから
つまりLINEで一方的に別れを告げて話し合う余地を一切残さないのは、相手にとって不快でかつ受け入れがたい行為だ。
だがLINEでの別れ話をするのは、話し合いを避けようとしているわけではなく、口頭だとうまく自分の気持ちを伝えられそうにないから、という理由であれば納得してもらえる公算は高まる。
あくまで「LINEではあるが、あなたが納得できるまでしっかり話し合うつもりだ」という姿勢が伝われば、聞く耳くらいはもってくれるはずだ。
もちろん先ほど見たように、4割程度の確率で「直接会って話し合うまで、そういう話は聞かない」とバッサリ切られてしまう可能性もある。
ただそういう強硬なスタンスの相手ならどのみち会って話をせざるを得ないわけで、いったん6割あるLINEで別れ話を進行できる可能性を試しておいて損はない。
LINEで別れ話をスムーズに了承してもらうポイント
前章でLINEで別れ話を完結させる筋道はついた。
つまり「LINEで別れ話をするのは申し訳ないと思ったが、それはあなたのことを軽視しているわけではなく、口頭だと気持ちをちゃんと伝えられる自信がなかったからだ」という背景をしっかり共有するということだった。
これで別れ話を進めるテーブルに相手がついてくれたと仮定して、その後はどのように進めていけばいいのだろうか?
この章では、その先の展開を考えていく。
納得を得やすい別れる理由は「性格や価値観の不一致」
別れたいと意向を伝えると、当然ながら相手側は「どうして?」と理由を聞きたくなるのが人情だ。
そこでどんな別れの理由を伝えれば、納得を引き出しやすいか?について調べてみた。
その結果が、下図である。
多くの理由で半分くらいは納得を得られるようだが、特筆すべきは「性格や価値観の不一致」(男性66.4%、女性72.0%)で、もっとも了承しやすい別れの理由として男女ともに一致した。
ようは一緒にいても「楽しくない」というひと言に尽きるわけだが、これをストレートに伝えてしまうと相手を批判しているように聞こえてしまい、言い争いに発展しかねない。
そのためあくまで「あなたが私の性格に合わない」のではなく、「あなたの性格に私が合わない」という言い方にするのがベターに思える。
同様に「相手の言動への不満」(男性48.3%、女性59.3%)も、納得してもらえる確率としては悪くなさそうだが、浮気のような決定的な過失でもない限り口論に発展しやすいので、ソフトランディングを目指すなら避けたほうがいい理由と考えられる。
一方で、「引越しなどの生活環境の変化」は男女ともに納得感がもっとも低く、男性では34.3%、女性では27.3%に止まった。
これは具体的に、進学や就職や転職、転勤を理由とするものだ。
この理由を提示されたほうは「環境は変わるかもしれないけど、本当に無理だと思うまで遠距離でも頑張ってみようよ」と、粘らなければならないような立場に立たされるからかもしれない。
本稿ではこれらの結果から別れたい理由を「性格や価値観の不一致」にすることをおすすめしたい。
別れ話を切り出す時間帯は「21~23時」
次に細かい観点にはなるが、LINEで別れ話を切り出すタイミングを最終確認しておくことにしよう。
多くの人にとって違和感のない結果だが、別れ話をされる側は「21~23時」の時間帯に切り出されるのが適切なタイミングとなった。
ただしこれはあくまで夕飯やお風呂を終え、就寝までの「余暇を過ごしている時間帯」という意味だ。
たとえば相手が夜勤の人ならば、その人が就寝する時間の1~3時間前でタイミングを見計らうのが適切ということになる。
多くの別れを告げる側からすると、20時くらいから心の準備と、想定される話し合い上での受け答えをシミュレーションしておくのがよさそうだ。
まとめ
以上が今回の調査でわかった「LINEで別れ話をすること」に関する調査結果だ。
おさらいとして、本調査の結論を再掲しておく。
▼本調査の結論
・LINEで別れ話をされるのは男女ともに7割が「不快」
・話し合える余地さえあればLINEで別れ話を完結させることもできる
・別れたい理由で納得を得られやすいのは「性格や価値観の不一致」
別れ話をされるほうからすれば、直接会って伝えられるものなら、多くの場合それに越したことはない。
だがLINEで別れ話をすることも、伝え方や理由によっては即悪というわけでもない。
本調査結果が、あなたの別れ話がソフトランディングすることの一助になれば幸いだ。
アンケート実施方法
▼アンケート方法
・アンケート方法 インターネット上でアンケートを実施
・回答者数 恋愛経験のある全国の男性143人、女性150人
・調査日 2024年1月5~1月17日
・設問は単一選択式、および記述式
・調査主体 【300人のホンネ】編集部
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