結婚相手となる男性に年収500万円を求めるのは夢見すぎか?
あなたとしては年収1000万円などと言ってるわけでもないし、高望みと言われるような筋合いはないと思っているかもしれない。
またあなたはもしかしたら500万円に近い年収を得ていて、「男性もこれくらいあるのが一般的じゃないの?」という疑念に駆られているのかもしれない。
そこで本サイト【300人のホンネ】編集部は、結婚当時の夫の年収をハッキリと覚えている既婚女性124人に対して、アンケート調査をおこなうことにした。
本調査の結論を言えば、下記である。
▼本調査の結論
・20~30代の男性に年収500万円を求めるのは「やや夢見がち」
・40代の男性なら年収500万円は現実的な水準
・年収400万円まで譲歩すれば、多くの男性が結婚対象に入ってくる
・年収500万円と年収400万円の生活の状況はたいして変わらない
ぱっと見あまり夢のない話が並んでいるように見えるかもしれないが、最後まで読めば、いい意味で気が抜けるような感覚を覚えられることだろう。
それでは詳しく見ていくことにしよう。
結婚相手の男性の年収に対する見方は真っ二つに割れる
まず前提として、結婚相手となる男性の年収に条件をつけることは悪いことなのだろうか?
その点を既婚女性に聞いたところ、約半数の女性は結婚相手となる男性の年収を気にしていたことがわかった。
「かなり重要」(9.7%)と「やや重要」(46.8%)を合わせた相手男性の年収を少なからず重要視する派が56.5%とわずかに優勢となった。
これに対し、「あまり重要視しない」(35.5%)と「まったく重要ではない」(8.1%)を合わせた、あまり年収を重要視しない派が43.6%となった。
大きく見ると真っ二つ状態ではあるが、結婚相手の男性の年収を気にすること自体は、特に奇異なものとも思えない。
もちろん面と向かって「あなたの年収は?」と聞くのは、男性であれ女性であれ不快な質問であることには違いない。
だが少なくとも出産から子育て期間の3年前後は、女性側がほぼ無収入状態になるため、夫の収入=世帯収入になる時期が存在することもまた動かない事実なのである。
そのため結婚相手となる男性の年収に条件をつけることは、女性目線からすれば約半数の支持を得られると考えられる。
では本題であるその年収の金額が500万円というのは、どういう水準なのであろうか?
次章で詳しく掘り下げていくことにする。
年収500万円を結婚相手の男性に求めるのはややハードルが高い
では「結婚相手となる男性に年収500万円を求めるのは夢を見すぎか?」という問いに答えることにする。
結論を言えば、厳しいようだがやや夢見がちである。
というのも、年収500万円以上というラインは、多くの20~30代の男性は結婚対象からハズレてしまうラインだからだ。
ただし相手男性の年齢によっては、現実的なラインでもある。
既婚女性150名に、結婚当時の夫の年収額を聞いた結果が下図である。
まずグラフ内の赤色の数字に着目いただきたいが、これは結婚当時に年収500万円未満だった男性の割合を合計したものだ。
その割合を見ると、20代の男性なら79.4%、30代の男性でも53.3%が年収500万未満を占めることになる。
また黄緑で示した年収500万円のゾーンは、20代男性でわずか7.4%、30代男性でも17.8%しかいないことがわかる。
一方でこれが結婚当時に40代だった男性となると、年収500万円未満の割合が30.0%にまで減少し、年収500万円のゾーンも40.0%まで増える。
あなたが一体何歳くらいの男性と結婚したいのか?にもよるが、年収500万円というラインは40代男性の年収にとってはほどよいラインである。
一方で、平均的な20~30代男性に求めるのは少々酷と言えるだろう。
もちろん20代、30代でも年収500万円を超えている層は存在する。
しかしながら、特に20代では完全にマイノリティといっていいレベルなので、「20代で年収500万円の男性がいい」という条件は、「夢見すぎのレベル」といってしまっていいだろう。
またどうしても「年収500万円」という条件が譲れないという女性は、ほかのところで妥協点を探っていくことが現実的だ。
つまり40代の男性であれば「年収500万円」は明確に高望みの水準ではなくなるので、結婚相手の年齢を引き上げるのが一番手っ取り早い譲歩といえるかもしれない。
年収500万円の男性との結婚生活のリアル
ここまであまり夢のない話をしてきてしまったが、もしかすると女性からすると、
「そりゃ夢を見ていいなら年収1000万円以上と言いたいところだけど、現実を見て年収500万円って言ってるのに??」
という忸怩たる思いがあるかもしれない。
そこで実際のところ、年収500万円の夫がいる家庭の生活水準とは、どのようなものなのか突っ込んで聞いてみることにした。
もちろんその時に夫の年収と生活水準を考えるうえで、考慮しなければならないのは「世帯収入」だ。
というのも、夫の年収が400万円しかなくとも、妻が250万円の収入を得ている場合、夫の年収が500万円で妻が専業主婦をしている世帯よりも、収入が年間150万円も高いことになる。
もちろん「可処分所得(=収入―家賃―生活費―税金)」も家計の余裕を考えるうえでは欠かせない指標だが、今回は結婚直後の世帯収入を聞いており、子どもの数はおおむね0人でほぼ一定と考えられるため、話がややこしくなるので割愛する。
そこでまずは世帯収入ごとの生活状況をおおまかに見てみることにしよう。
まず基準として注目したいのが、オレンジで囲った「夫500万円+妻250万円」の世帯年収となる700~899万円のゾーンだ。
「お金の不自由が一切ない」(23.3%)と「たまに贅沢もできる」(60.5%)を合計した83.8%が余裕のある生活を送っていることがわかる。
また「たまに生活費がピンチになる」(14.0%)と「生活費だけでカツカツ」(2.3%)とあまり余裕のない割合は、合計16.3%に止まっている。
しかしながら、である。
この生活の余裕状況は、たとえば「夫400万円+妻200万円」の世帯年収「500~699万円」のゾーンと、たいして変わらないことがわかる。
つまり夫の年収の100万円くらいの差だと、生活の余裕は体感上大きく変わらないということだ。
ちなみに妻にどのくらいお小遣いが分配されているか?を見ても、この世帯年収「500~699万円」と「700~899万円」のゾーンはあまり変わらない。
500-699万円 | 700-899万円 | |
0-19,999円 | 12.00% | 10.00% |
20,000-39,999円 | 64.00% | 47.50% |
40,000-59,999円 | 12.00% | 35.00% |
60,000-79,999円 | 4.00% | 0.00% |
80,000円以上 | 8.00% | 7.50% |
また世帯年収が500万円を切ってくる「300~499万円」の世帯収入と、「たまに生活費がピンチになる」(7.4%)、「生活費だけでカツカツ」(18.5%)、「生活費もままならない」(7.4%)の生活費に余裕がない状況が3割を超えてくる。
ただし裏を返せば、7割はまだ生活に余裕がある状況なのだ。
もちろん世帯収入が1000万円近い世帯と、世帯収入が500万円を切ってくる世帯ではここで言われている「贅沢」の質はまったく異なるだろう。
ただ生活の豊かさというのものは、本人が満足してさえいればいい話である。
仮に年収が300万円(月収21万円ほど))の男性であっても、女性側が年収100万円でも稼いでくれば、食うや食わずという状況になることはまず避けられる。
もちろん子どもが大きくなったときにはそうも言っていられなくなるが、筆者の知人のファイナンシャルプランナーによれば「高校生まではなんとかなる」だそうだ。
つまり子が生まれてから18年の猶予期間に「夫になんとかしてもらう」か、女性自身が「なんとかすればいい」のである。
もっと言うと、18年間ずっと夫の収入が変わらないということのほうがレアである。
こうしてみると、年収500万円という瞬間的なボーダーを作ってそれ以下の男性を無条件に切り捨ててしまうのは、いささかナンセンスとも思える。
というのも冒頭の年代別の年収を見たとき、年収を500→400万円まで広げると、20代男性の61.8%、30代男性の75.6%が結婚対象として選択肢に入ってくるからだ。
このたった100万円だけ条件を緩和することで、結婚対象となる男性が圧倒的に増加し、かつ体感上の生活の余裕は大きく変わらないのである。
愛かお金か?論争には結論は出ず
最後に延々と繰り返されている「愛か?お金か?」という議論を、ここでもやっておくことにしよう。
ちなみにやはり今回の調査でも、この論争に結論は出なかった。
ただし先人である既婚女性たちの声に耳を傾けておくのは無駄なことではない。
「愛重視派」は赤系、「お金重視派」は青系で色付けしている。
まず全体的に見ると、おおむね愛もお金も半々といった感じでどちらか一方に傾くということはなかった。
ただ傾向が見られ、愛重視派は「世帯年収700-899万円」を頂点に、世帯年収が「300~899万円」まで優勢を占めている。
一方で世帯年収が「900万円」を超えると、「お金重視派」がやや優勢となっていることがわかる。
いかようにも解釈できそうな結果なので、回答者の既婚女性の声を紹介するとこのようなものがあった。
まずは「愛重視派」の女性の代表的な声にはこのようなものがある。
「お金がなくても2人で働けばなんとかなると思うが、愛がなければ一緒にいられないと思うから」(世帯年収600万円、女性)
「毎日ストレスを抱えるのはお金の方で良い。性格的に難ありの人とは暮らせないから」(世帯年収660万円、女性)
「お金は節約すればなんとかなりますし、自分が仕事を増やすなど収入を増やす方法はたくさんあります。愛の形は変えたくても変えることができないので、家族になるなら愛の方が大事だと考えています」(世帯年収390万円、女性)
では「お金重視派」の女性の声はどうだろうか?
「お金に余裕がないと心にも余裕がなくなり冷めていくタイプなので圧倒的にお金が大事です」(世帯年収600万円、女性)
「お金があれば愛情がもともとなくても日々の暮らしで徐々に情が湧いてくるものです。女性にとっては一時のときめきより恒久的な生活の安定が何より幸せだと思います」(世帯年収700万円、女性)
「愛はいずれなくなるので。なくなった時にお金があれば我慢できます」(世帯年収800万円、女性)
「愛重視派」も「お金重視派」もいずれの声も、頷ける声だ。
これらを踏まえると非常に月並みな結論にはなるが、「幸せ」とはその人によって異なるものだ。
「愛重視派」の意見はついまぶしく見えてしまうところがあるが、「せめて人並みの暮らしを送りたい」と願うことも決して否定されるべきものではない。
結婚相手となる男性の年収額しか見ないというのは見方が偏りすぎているとは思うが、そこまで極端な人も珍しいと思われるので、改めて本稿では年収400万円をボーダーとして考えておくことをおすすめしたい。
まとめ
以上が、結婚相手となる男性に年収500万円を求めるのは夢見すぎか否かについて調査した結果だ。
おさらいしておくと、本調査の結論はこのようになる。
▼本調査の結論
・20~30代の男性に年収500万円を求めるのは「やや夢見がち」
・40代の男性なら年収500万円は現実的な水準
・年収400万円まで譲歩すれば、多くの男性が結婚対象に入ってくる
・年収500万円と年収400万円の生活の状況はたいして変わらない
2023年6月時点での年収500万円とは、このようなものだ。
高すぎるわけでも低すぎるわけでもない、微妙なラインを設定している時点で、あなたが結婚に求めているものは相手男性の年収だけではないと思うが、年収の100万円程度の違いはあまり気にする必要がない、ということを改めて強調しておきたい。
アンケート実施方法
アンケート実施法
・アンケート方法 インターネット上でアンケートを実施
・回答者数 既婚女性124名
・調査日 2023年6月21~23日
・設問は単一選択式、自由記入式
・調査主体 【300人のホンネ】編集部
・回答者平均年齢30.2歳
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