台パンとは?経験者が語る台パンの信じられない実態と台パンさせられたゲームランキング

台パンとは?

本稿では、2024年現在の日本における台パンの語義だけでなく、台パンを取り巻く状況について独自に調査した結果を見ていく。

今回台パンの実態調査のために、ゲーム中に台パンしたことがある全国の男女56人にアンケート調査をおこない、その実態に迫った。

早速だが、本稿の結論としてはこのようになる。

▼本調査の結論
・台パンとはゲーム中に負の感情が極まり八つ当たりすること
・多くのプレイヤーが台パンさせられたゲームは「マリオカートシリーズ」
・台パン行為への印象はポジティブに変容しつつある

本稿を最後まで読めば、台パンの語義だけでなく、2024年現在の台パンを取り巻く状況を正しく理解することができる。

ではじっくり見ていくことにしよう。

目次

台パンとは?

まず本稿の大前提として、「台パン」という語を定義することから始めたい。

台パンとは、ゲームプレイ中に理不尽な展開や、自らの致命的なミスに対して負の感情が極まり、ゲーム機などの筐体を叩く行為のことを指す。

ただし叩かれる対象はゲーム機本体だけとは限らず、机やコントローラー、床などさまざまなバリエーションがある。

必ずしも「台」とは限らないが、いずれも「台パン」と称される

ゲームセンターが華やかなりし90年代ごろには、「ゲーム機を叩かないでください!」という注意書きが壁などに見られたが、台パンのルーツはこうした背景にあると考えられる。

またパチンコ店などにも同様の「遊具機を叩かないでください」という注意書きが見られ、台パンという言葉の起源は、家庭用ゲーム機が普及するより以前のパチンコ店にあるという説もある。

いずれにしてもゲームの文脈においては、台パンは負の感情が高ぶった結果、周辺のモノに対して物理攻撃を加える、という八つ当たりのことを指している。

これらを本稿では、台パンの定義とする。

ではさらに台パンが行われている文脈や状況について、深掘りすることにしたい。

そこにはあなたが予想もしなかったような台パンの実態が眠っている。

台パンの驚くべき実態~2024年の台パンの現状

台パンはあなたが本稿を読んでいるこの瞬間にも、世界のどこかで起こっている。

今回はこの台パンの実態調査のために、全国の台パンマンおよび台パンウーマン56人に聞き取り調査をおこなった。

まずはその調査過程で浮き彫りになった、4つの台パンの実態から見ていくことにしよう。

男も女も台パンしている

まずひとつ目の台パンの実態として、男も女も台パンしているという実態が発見された。

今回「ゲーム中に台パンしたことがある人」で回答者を募ったが、男性回答者60.7%に対し、39.3%の女性の存在が確認された。

台パン経験者の男女割合
ゲーム中に台パンをしたことがある全国の男女56人による回答を単純集計。インターネットアンケート、調査日2024年6月4~7日。

台パンといえばなんとなくゲーム好きの男性が怒り心頭で顔を真っ赤にして、バンバンやっているイメージがある。

だが実際には、女性ゲーマーも台パンしている。

女性からすれば「そりゃ、そうでしょ」というひと言に尽きるかもしれないが、男性の筆者目には意外な実態に映った。

また以前ゲーマー女子について調査したこともあるが、そのときにはゲーム中に悪態をついている女子の姿も確認されている。

台パンに性別など存在しないと考えてよさそうだ。

さらにいうと今回の回答者の年齢は、18歳から上は53歳までいる。

18歳未満の回答者は都合により今回は含まれていないが、老若男女みんな台パンしているといっても過言ではない状況が想像できる。

台パンは滅多に出るものではない

次に台パンする頻度について聞いてみたところ、多くの台パンマン・台パンウーマンにとって台パンは滅多に出るものではない、ということが明らかになった。

台パンする頻度は?回答
ゲーム中に台パンをしたことがある全国の男女56人による回答を単純集計。インターネットアンケート、調査日2024年6月4~7日。

これまでの「人生で数えることくらい」しか台パンしたことがない回答者が58.8%の過半数を占め、ゲームをプレイしていて「10回に1回」程度と合わせると、その割合は82.1%にも昇る。

一方で「ほぼ毎回している」という台パン常習者は、わずか3.6%に止まった。

このことから大半のゲーマーにとって台パンは、とっておきのレアな感情表現ということができる。

もしあなたが第三者の台パンに立ち会ったとしたら、それはオーロラを見るかのごとくレアな出来事なので、感動を覚えても差し支えない。

またゲーム配信などを見ていると、結構な確率で台パンに遭遇するが、あれはストリーマーたちによる意図的な演出のひとつと言ってもよさそうだ。

台パンは意識と無意識の間で起こる

次に「台パンはどこまで意識的な行為なのか?」という点について、台パンマン・台パンウーマンに問うた。

結果は、「半分くらいは無意識」(48.2%)という、どちらとも言いようのないものが最多となった。

台パンはどこまで意識的な行為なのか?回答
ゲーム中に台パンをしたことがある全国の男女56人による回答を単純集計。インターネットアンケート、調査日2024年6月4~7日。

「半分くらい無意識」ということは、「残り半分は意識的」ということになり、自ら欲して台パンしているともいえないし、さりとて気がつけば台パンしている自分がいるという忘我の状態でもない。

つまり意識と無意識のはざまに、台パンという行為が生じていることになる。

台パンとは早い話がモノへの八つ当たりなわけだが、思わず拳を振り上げてしまうまでは無意識で、その拳の向かうところだけは意識的、というのが真相なのではないだろうか。

よくニュース報道などで「ついカッとなってやってしまった」という供述が見られるが、これも凶器の選定などは意識的におこなっているわけで、台パンと通じるところがありそうだ。

台パンは対人戦のゲームで起こりやすい

最後に「台パンは誰とプレイしているときに起こるのか?」という実態を見ることにしよう。

つまり近年のゲームはおよそ「CPUと競うもの」と、「人間のプレイヤー同士と競うもの」に大別できる。

結果は、「対人ゲーム」が60.7%と過半数になり、人間同士のバトルの際に台パンはより起こりやすくなることが判明した。

台パンしてしまう対戦相手は?回答
ゲーム中に台パンをしたことがある全国の男女56人による回答を単純集計。インターネットアンケート、調査日2024年6月4~7日。

これは感覚的にも納得感のある結果だが、理由は2つ考えられる。

まずひとつ目の理由は、CPUの強さはあくまで「数値の強さ」でしかないということだ。

CPUでも攻略対象として理不尽なほど強いものが存在するが、それは「HPがとんでもなく高い」であったり、「攻撃力がえぐい」などの数値設定の強さだ。

我々もあくまでそういう「設定」として受け入れながらゲームしているので、「ラスボスの各パラメータがこんなに高いなんて理不尽じゃないか!」と本気で憤る人は少数のはずだ。

またこうした数値の強さは、プレイスキルや攻略法という知識で対処可能なものでもある。

一方で対人戦では、数値や能力に大きな差はないが、プレイスキルで差がつくというものが多い。

つまり単純に「その相手よりヘタだから負ける」という性格のものだ。

これはあたかもそのゲームに投資してきた時間や労力を全否定されるかのような状態になるので、サンクコストから台パンが生じやすくなると考えられる。

そしてもう一つの理由は、「相手も同じ人間だから」である。

「こんな目に自分が遭ったらどう思うのかね?」とCPUに詰め寄っても時間の無駄だが、相手が人間なら理解を得られることが期待できる。

むしろ煽りや舐めプのように、悪意からわざとイライラするようなプレイをやってくる人間もいる。

気持ちが通じる相手だからこそこみ上げてくる怒り、それが台パンという行為を引き起こす燃料になるのではないだろうか。

ところで、このように台パンしてしまう相手に偏りがあるのであれば、多くの人が台パンさせられるゲームというものも存在するのではないだろうか?

そこで次章ではみんなが台パンしてしまうゲームタイトルを深掘りしてみたい。

みんなが台パンさせられたゲームタイトル13選

結論からいうと、台パン経験者56人にこれまでに台パンさせられたゲームタイトルを聞いたところ、かなりバラついた。

ただし世の中には星の数ほどゲームタイトルが存在するわけで、その中でも票を集めたゲームタイトルは「台パン製造機」として有能なゲームとも考えられる。

ぜひ「わかるわぁ…」とあの時の怒りを思い出しながら、ご覧いただきたい。

▼みんなが台パンさせられたゲームタイトルTOP10

1マリオカートシリーズ6.4%
2ストリートファイターシリーズ5.5%
2Apex5.5%
4コールオブデューティ4.6%
5スプラトゥーン3.7%
5大乱闘スマッシュブラザーズ3.7%
5オーバーウォッチ3.7%
8荒野行動2.8%
8バイオハザード2.8%
8エルデンリング・ダークソウル2.8%
8ポケモンシリーズ2.8%
8VALORANT2.8%
8鉄拳シリーズ2.8%
ゲーム中に台パンをしたことがある全国の男女56人による複数回答を単純集計(n=63)。インターネットアンケート、調査日2024年6月4~7日。
また14位以降のゲームタイトル一覧はこちらをタップすれば開きます。
14モンスターハンター1.8%
14スーパーマリオシリーズ1.8%
14ペルソナ1.8%
14パワフルプロ野球1.8%
14ディアブロシリーズ1.8%
19ホームスケイプ0.9%
19刀剣乱舞0.9%
19maimai でらっくす BUDDiES PLUS0.9%
19グランドセフトオートV0.9%
19雀魂0.9%
19ウマ娘0.9%
19ウイニングイレブン0.9%
19第五人格0.9%
19リボルバーズエイト0.9%
19クラッシュロワイヤル0.9%
19聖闘士星矢ライジングコスモ0.9%
19ゴーストオブツシマ0.9%
19アーマドコア0.9%
19ブラッドボーン0.9%
19スイカゲーム0.9%
19ハウスオブザデッド0.9%
19百英雄伝0.9%
19ハースストーン0.9%
19ウイニングポスト0.9%
19League_of_Legends0.9%
19シュバルツシルト2帝国の背信0.9%
19パワードール20.9%
19グランツーリスモ0.9%
19Shadowverse0.9%
19地球防衛軍シリーズ0.9%
19プロジェクトセカイ0.9%
19ロマサガシリーズ0.9%
19PUBG0.9%
19ガンダムエクストリームバーサスシリーズ0.9%
19龍が如くシリーズ0.9%
19ドラゴンクエストシリーズ0.9%
19シーマン0.9%
19ARK0.9%
19アイドルマスターシンデレラガールズ0.9%
19ラブライブ!0.9%
19原神0.9%
19ブレイブルー クロノファンタズマ0.9%
19GUILTY GEAR0.9%
19バウンティーラッシュ0.9%
19Eフットボールシリーズ0.9%
19プロ野球スピリッツ0.9%
19ディビジョン0.9%
19くにおの挽歌0.9%
19ドンキーコング0.9%
19エスケープ フロム タルコフ0.9%
ゲーム中に台パンをしたことがある全国の男女56人による複数回答を単純集計(n=63)。インターネットアンケート、調査日2024年6月4~7日。

以下、いくつかのゲームタイトルをピックアップして紹介したい。

第1位はマリオカートシリーズ

まず「台パンさせられたゲームタイトル」ナンバー1に輝いたのは「マリオカートシリーズ」(6.4%)だった。

レースゲームでありながら、他プレイヤーを物理攻撃し妨害できるというルールのため、「一番早くコースを周回できる者が勝つとは限らない」という理不尽さをゲームシステムに内包している。

また「マリオカートDS」以降のシリーズでは禁断のオンライン対戦機能が搭載され、世界中に台パンを拡散させているといっても過言ではないゲームタイトルとなった。

「ゴール寸前にアイテムで阻止された」(41歳男性)

「相手の行動を読んでこちらも行動しているのに、サーバーが重いせいでラグで被弾したとき」(37歳男性)

マリオカートシリーズはこのように台パン加害者を生み続けている。

格ゲーも上位にランクイン

次いで台パンさせられたゲームとしてあがったのが「ストリートファイターシリーズ」(5.5%)だった。

いわゆる格ゲーの代名詞ともいえる人気タイトルだが、格ゲーも台パンさせられてしまう人が多いジャンルと考えられる。

実際に上位陣の中には「大乱闘スマッシュブラザーズ」や「鉄拳シリーズ」もランクインしている。

「僅差で負けた時。コンボにはめられボコられた時」(53歳男性)

「自分がブランカで相手がケンを使っていて、ブランカの暴れ技の代表例がODエリアルローリングですが、バーンアウト中だったので出せず、そのまま龍尾脚をからめたゴリ押しされました」(31歳男性)

ちなみに筆者は1990年代初頭に「ストⅡ」をゲームセンターでプレイしていた世代である。

当時は乱入システムというものがあり、同じゲームセンター内でプレイしている者同士が対戦できたのだが、実をいうとこの時から台パンは発生していたし、決め技を放つと同時に勝ち誇った気持ち悪いポーズを決めてくる者までいた。

また台パンどころか、ヤンキーが紫煙の中でたむろしているような治安の悪いゲームセンターでは、対戦後にリアルでの「ストリートファイト」に巻き込まれることすらあったことは付記しておきたい。

シューティングゲームも目立つ

格ゲーと同様に上位陣に目立って多かったのが、シューティングゲームだった。

具体的には、このようなゲームタイトルだ。

・APEX(5.5%)
・コールオブデューティーシリーズ(4.6%)
・スプラトゥーンシリーズ(3.7%)
・オーバーウォッチ(3.7%)
・荒野行動(2.8%)
・VALORANT(2.8%)

いずれのタイトルも、オンラインでほかのプレイヤーたちとチームを組んで相手チームと戦うというシステムだが、こうしたシューティングゲームの台パンはほかのゲームとは違う特徴が見られた。

それは怒りの矛先が対戦相手ではなく、チームメイトに向かうという特徴だ。

「自分の動き(プレイ)には問題がなく、明らかにわざとふざけたプレイ(荒らし行為)をしているプレイヤーがいたり、途中離脱したりするプレイヤーがいたことで負けると苛立ちが募り、台パンしてしまう」(25歳女性、スプラトゥーンシリーズをプレイ)

「私以外のプレイヤーがトロール(荒らし)で、ゲームへの妨害行為が凄まじく、まともにゲームができる状況ではなかった」(22歳女性、VALORANTをプレイ)

単に味方のプレイスキルが低いことに怒り心頭になってしまうのは、こうした協力しあうゲームの適性がないとしか言いようがない話だ。

だがなにが楽しいのかはわからないが、味方の足を引っ張ることに楽しみを見出しているプレイヤーが、こうしたチーム戦型のシューティングゲームには一定数存在する。

台パンは必ずしも対戦相手にばかり向かうものではなく、時にはこうしてチームメイトにもその矛先が向かうことが確認できる。

対CPUゲームでは納得のダークソウルシリーズ

これまで紹介してきたゲームタイトルは対人戦のものばかりだが、対CPU戦のゲームなのにランクインしてきた数少ないゲームタイトルがある。

それが「ダークソウルシリーズ(エルデンリング含む)」だ。

いわゆる「死にゲー」と呼ばれるジャンルを確立したゲームタイトルで、ゲームの攻略難易度がプレイヤーの想像のはるか上に設定されているゲームだ。

「あと少しでボスを倒せそうだった時に倒された時。何回も倒されてイラついた時」(18歳男性)

「もう少しで敵を倒せるくらいまで追い詰めたのに、一気に形勢逆転されてKOされてしまったこと多々」(35歳女性)

文字にするとなんてことがないように思うかもしれないが、そもそもこのゲームでボスをいいところまで追い詰めているという状況は、滅多に訪れるものではない。

さらにダークソウル3からだと思うが、ボスの体力をある程度削ると、ほかのボスキャラが加勢してきたり、覚醒して攻撃力が異常に上がるなどの、さらなる理不尽さが追加された。

それでも諦めずに何度も何度もボスに挑んでいると、少しずつ自身のプレイスキルの成長が実感でき、それがまた攻略へのモチベーションとなるという底なし沼のような魅力がある。

全体的に対人戦での台パン発生率が目立ったが、対CPU戦で「ダークソウルシリーズ」がランクインしてくることに納得感を覚える読者の方も多いのではないだろうか。

台パンすることのメリット

ところで台パンは、多くの人にとって意識と無意識のはざまで起こることはこれまでに確認した。

だが半分が意識的であるということは、台パンをすることになんらかのメリットを感じてやっている可能性も考えられる。

そこで台パン経験者に、台パンすることのメリットを聞いた結果が下表だ。

▼台パンすることのメリット

ちょっとだけスッキリする80.4%
メリットはない12.5%
CPUをわからせる3.6%
家具の点検になる1.8%
人への八つ当たりの防止1.8%
ゲーム中に台パンをしたことがある全国の男女56人による自由記入回答を分類して集計。インターネットアンケート、調査日2024年6月4~7日。

「ちょっとだけスッキリする」(80.4%)が圧倒的多数のメリットとなったが、これは誰しもが容易に想像できるところなので、詳細は割愛する。

それよりも注目すべきは、その他のメリットたちだ。

まず「台パンにメリットなどない」と、台パンの効用を完全に否定した回答者が12.5%いた。

詳しく見ると、このような声だ。

「メリットはまったくありません。海外の研究でも怒りの感情を体で表現すると怒りがより助長されるというデータも出ています」(31歳男性)

海外のどこの機関が発表したデータなのか出典は不明だが、言われてみればなんとなくそんな気もする意見だ。

また次の「CPUをわからせる」というメリットは、かなりサイコ色の強い声だ。

「CPUに人間の恐ろしさをわからせる。効果は絶大」(53歳男性)

「一撃でなかったことにできる。音、感触ともに最高」(20歳男性)

この回答者2人の二文目に背筋が冷たくなるものを感じてしまうが、彼らは一体何に対して台パンしているというのだろうか…?

そしてそれは、本当に台パンの範ちゅうに止まっている行為なのだろうか…?

おそらくもっとも想像したくない状況が、繰り広げられているに違いない。

またこちらも少数ではあるが、「家具の点検」というメリットを挙げる回答者もいた。

「机の丈夫さの確認」(34歳男性)

確かに机の丈夫さの点検など大掃除でもギリしないくらいの行為ではあるが、台パンにはこうした見落としがちなメリットも存在するようだ。

台パンすることのデメリット

では一方で、台パンすることのデメリットにはどのようなものがあるのだろうか?

▼台パンすることのデメリット

モノが壊れる48.2%
手が痛い19.6%
悪目立ちする17.9%
うるさい10.7%
ゲームの結果は変わらない1.8%
怒りが増す1.8%
ゲーム中に台パンをしたことがある全国の男女56人による自由記入回答を分類して集計。インターネットアンケート、調査日2024年6月4~7日。

まず台パンのデメリットとしてもっとも多かったものは、「モノが壊れる」(48.2%)というデメリットだった。

具体的にどのようなものをこれまでに壊してしまったのか?をあわせて回答者に聞いたところ、下記のものが挙げられた。

▼台パンによって破壊されたモノたち
ゲーム機本体、コントローラー、キーボード、マウス、机、ディスプレイ、スマホ、スマホケース、本棚、家の壁

ゲーム機やコントローラーなどは手にもっとも近くにあるものなのでまだ理解できるが、「本棚」や「壁」など明らかに水平方向に台パンしている回答者もいた。

「近寄りがたい雰囲気」どころか、本当に「近づいてはいけない」プレイヤーもいるので、プレイ中の台パンマン・台パンウーマンには注意が必要だ。

また中にはモノとはいえないものを、台パンによって壊してしまった回答者もいた。

「自分の指を突き指しました」(19歳女性)

「大切な時間」(31歳男性)

特に後者の男性は、台パン後に一体なにが起こったのか気になるところだ。

時空を歪めるほどの衝撃を加えてしまったのか、横で一緒にプレイしていた友人や恋人からドン引きされたのか、はたまたセーブデータを吹っ飛ばしてしまったのか……

台パンはときに取り返しのつかないものを壊してしまうことを、忘れてはいけない。

第三者の台パンをポジティブにとられる割合は意外と多い

ところで繰り返しになるが台パンは、本来は怒りや抗議を表すネガティブな感情表現である。

その一方で、2024年現在では一種のネタ化され、ストリーマーなどは一種の演出として台パンを取り入れていることは先にも触れた。

では現時点での台パンは、どのように受け止められるものなのだろうか?

そこで台パン経験者に「第三者の台パンをどう思うか?」を聞いた結果が、下図だ。

第三者の台パンをどう思う?回答
ゲーム中に台パンをしたことがある全国の男女56人による回答を単純集計。インターネットアンケート、調査日2024年6月4~7日。

かなり僅差ではあるが、「やや不快」(35.7%)と「かなり不快」(19.6%)の合わせて55.3%がネガティブな印象をもっている。

しかし一方で44.7%は、「かなり愉快」または「やや愉快」というポジティブな印象をもっている。

つまりなにが言いたいかというと、第三者の台パンを好意的に受け止める回答者が意外と多いということだ。

もちろん自分の真横でパンパンやられるのは不快極まりないだろうが、台パンはそれだけゲームやその勝負に熱中していたことへの裏返しでもある。

今回の回答者はあくまで台パン経験者という、ゲーム好きな人たちだ。

そのため一般的な人たちとの見方と、少し異なるかもしれない。

だが少なくともなんの感興ももよおさないような退屈なゲームよりも、感情を激しく揺さぶられるゲームという意味では、台パンはゲーム制作者へのリスペクトの意味合いも含まれるのではないだろうか。

おそらく台パンという概念が誕生した直後は、ネガティブにとらえる人が大半だったと思うが、近年ではその印象が少し変容しているのを感じる結果だった。

まとめ

以上が2024年時点での台パンに対する調査結果だ。

最後におさらいがてら要点をまとめておくと、このようになる。

▼本調査の結論
・台パンとはゲーム中に負の感情が極まり八つ当たりすること
・多くのプレイヤーが台パンさせられたゲームは「マリオカートシリーズ」
・台パン行為への印象はポジティブに変容しつつある

人生の楽しみ方という点では、夢中になれるものにどれだけ出会えるか勝負という面もある。

確かにモノが壊れるなど、台パンには看過できないデメリットがあるが、台パンしている人はゲームを誰よりも謳歌しているとも言える。

隣でやられると不快でしかない台パンマン・台パンウーマンへの目線が、本稿を読んで少し変わったのなら幸甚である。

アンケート実施方法

▼アンケート方法
・アンケート方法 インターネット上でアンケートを実施
・回答者数 ゲーム中に台パンしたことがある全国の男女56人
・調査日 2024年6月4~6月7日
・設問は単一選択式、および記述式
・調査主体 【300人のホンネ】編集部

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