なぜだかはわからない。
今日は待ちに待ったデートだと浮かれているときに限って届く、LINEの不穏な通知…
――そう、ドタキャンである。
とっておきのお店の予約、新調した服、研究したヘアセットやメイク、考えに考えたデートプラン、イメトレしておいた甘い会話……
それらすべてを一瞬で無に帰す残忍な行為、それがドタキャンである。
こうしたデートのドタキャンは、日々この日本で起こっている。
そしてドタキャンで失意に暮れるドタキャン被害者たちが、今日も行き場のない怒りを持て余している。
そこで当サイト【300人のホンネ】編集部は、ドタキャンをしたことがある張本人277人に緊急アンケートをおこなうことにした。
本調査でわかったことは、下記である。
本調査の結論
・ドタキャン=脈なしの判断は間違っている
・好意がある相手なら、ドタキャンの理由は真実
・好意のない相手なら、ドタキャンの理由はウソ
・好意のある・なしは、ドタキャン後の別日の提案の有無でわかる
・ドタキャン常習犯は更生しないので受け入れるしかない
では、じっくりと心の傷を癒しながら読んでいただきたい。
もしかしたらあなたにとって残酷な結論に至るかもしれない。
しかし半数より多い人にとっては救いのある話に着地するはずだ。
デートがドタキャンされる理由は「面倒くさい」が最多
デートをドタキャンしたことがある張本人たちに、まずドタキャンした理由を聞いた。
その結果が下表である。
「面倒くさくなった」(33.2%)が最多となり、「体調が悪くなった」(22.0%)がそれに続いた。
「私とのデートが面倒くさいと思われているのに、一体どこに救いがあるのか?」という声が飛んできそうであるが、実態はそう深刻ではない。
詳しくは後述するが、もう少し我慢して読み進めてもらいたい。
デートだけでなく約束をしっかり守る生真面目な人には受け入れがたい結果だろうが、世の中はあなただけの尺度では測りきれないものがあるのだ。
デートのドタキャン=脈なしではない
続いて、デートのドタキャンをした相手にどの程度の好意を抱いていたのか?を聞いてみることにした。
結果として、相手のことが好きだろうが嫌いだろうが、ドタキャンするときはするのである。
もちろんドタキャンは好意を抱いている相手とのデートの約束にも起こる。
「ドタキャンされた=脈なし」と判断してしまうのは、かなり早計である。
ただこれだけでは好意をもっている相手とのデートなのに、当日行く気がなくなってしまう理由がわからない。
そこでもう少しデータを深掘りすることにしよう。
好きな人とのデートのドタキャンは「体調不良」
なぜ少なからず好意を抱いている相手とのデートをドタキャンするのか?
それを探るために、「相手に好意を抱いているグループ」と「相手に好意を抱いていないグループ」にわけて、回答を集計し直すことにした。
その結果が下図である。
好意のある相手へのドタキャン理由として、「体調不良」は32.2%で最多となった一方で、好意がない相手への理由で「体調不良」はわずか10.4%にとどまった。
一方で、好意がない相手へのドタキャン理由は「面倒くさくなった」(41.8%)が最多となったのに対し、好意がある相手とのデートを「面倒くさくなった」からドタキャンした人は18.2%にとどまった。
つまりこれらから言えることは、こうだ。
もし相手があなたに好意を抱いているのなら、デートをドタキャンしたのは、あなたと会うことが面倒くさいと思っている確率よりも、本当に体調が悪い確率のほうが2倍ほど高い。
この点を別の観点からも見ることにしよう。
好きな人ならドタキャン理由にウソはない
ドタキャンした理由として相手に真実を伝えたのか、それともウソを伝えたのかを聞いたところ、きれいに回答が割れた。
つまり、好意のある相手には「100%事実」(47.9%)と、「やや盛った」(28.9%)もののベースは真実を伝えた人が76.8%。
それに対して、好意がない相手には「少しだけ真実」(32.8%)、「100%嘘」(38.8%)を伝えた人が71.6%。
「ごめん。今朝起きたら熱が…」などという「ありがち」なドタキャン理由は、意外かもしれないが、真実である可能性のほうが高いのだ。
つまり好意をもっている相手には、「37℃の熱を40℃と伝えた」くらいの誤差はあるかもしれないが、おおむねホントのところをあなたに伝えているのである。
当然ながら、真実を伝えている相手に対して「じゃあ病院行って診断書をもらってきて見せてよ?」や、「へえー昨日の晩は電話であんなに元気だったのに、今日は突然調子悪くなるんだ?」なんて疑いの目を向けたり、嫌味をつけてはいけない。
今回の調査結果から確率論でいえば、あなたが好意を持たれているのなら、仮病でドタキャンをされた可能性は低い。
相手を労わり、優しい言葉をかけてあげるのが、あなたがするべきことだ。
一方で、あなたが好意を抱かれていないのであれば、あなたは「面倒くさい」と思われ、適当なウソでドタキャンされている可能性のほうが高い。
ここまでをまとめると、こうなる。
・あなたが好意をもたれているなら、相手のドタキャン理由はほぼ真実である
・あなたが好意を持たれていないなら、相手のドタキャン理由はほぼウソである
ドタキャン後の「別日の提案」で好き・嫌いがわかる
ここまでポイントとなるのは、あなたが「好意」を寄せられているのか否か、でまったく反対の結果が出るということだ。
ではその肝心の好意のある・なしを確認する方法はないものか?
実は本調査にて、相手の好意のある・なしを確認できるとっておきの方法が見つかった。
それはドタキャン後に相手がどのようなフォローをあなたに入れたか?である。
好意のある相手と好意のない相手では、このドタキャン後のフォローで明確な違いが見つかった。
まず好意を寄せる相手へのドタキャンだった場合、「心から謝罪した」(59.5%)と「別日を自分から提案した」(49.6%)が2倍から5倍近く好意のないグループを上回っている。
特にここで注目したいのは「リスケの提案」だ。
というのも「心からの謝罪」なのか「表面上の謝罪」なのかは、なかなか区別がつくものではない。
心のこもらない土下座をできる人もいるし、「ごめん…」というだけ素っ気ない謝罪も、謝ることが苦手な人にとってはものすごく踏みこんだ謝罪であったりする。
しかしながら「今日はダメになっちゃったけど、来週の土曜は空いてる?」などのリスケの提案は明確に違いがわかるところだ。
というのも、好意のない相手へのドタキャンに対して、リスケの提案を入れた人はわずか9.0%にとどまる。
考えてみれば自然で、あまり会いたくないと思っている人に対してせっかくドタキャンしたのに、これを自らリスケをしたのではドタキャンした意味がなくなってしまう。
また食事をおごるなどの「金銭をともなう償いをした」(21.5%)も同様の明確な違いが見られるフォローだ。
一方で、好意のない相手へのドタキャンへのフォローとして多かったのが、「表面上の謝罪」(50.7%)と「フォローなし」(28.4%)だ。
つまりドタキャンされても、相手側から「リスケの提案」や「金銭をともなう償い」があった場合は、あなたに好意を抱いている可能性は高いと考えられる。
一方で、ドタキャンしたにも関わらず、フォローらしいフォローが入らなかったケースではあなたは好意をもたれていない可能性が高い。
このドタキャン後のフォローのある・なしは、そのまま好意のある・なしに直結しているとも考えられる。
むしろまだお互いの気持ちを探っているような恋人未満の関係性の場合、相手からドタキャン後の手厚いフォローが入ったなら、相手からの好意が筒抜けになる。
まさに「ドタキャンされ得」とさえ言えそうだ。
ドタキャン常習犯なら、あなたの「ふつう」は通じない
ここまででドタキャンをされたところで動転する必要はまったくなく、その後のフォローを冷静に見つめることで相手の好意のある・なしまで確認できてしまうことを理解できた。
しかしこの世には「例外」が存在する。
この章からは、そうした例外的存在にスポットを当てたい。
それが「ドタキャン常習犯」である。
こちら側が怒ろうが、すねようが、たとえ涙で訴えても、忘れたころにあっさりとドタキャンしてくる常習犯たちのことだ。
もし今回のデートのドタキャンが初めてではなく、何度も繰り返されているドタキャンなら、「ドタキャン常習犯」である可能性を疑ってみるべきだ。
ドタキャン常習犯はわずか6.2%の割合しか存在しないが、あなたがいま対峙している相手が絶対に常習犯ではないと言い切れる数字でもない。
この常習犯にデートをドタキャンしたことに対する罪悪感を聞いてみたのが下図だ。
常習性のない一般人だと、「かなり強い」(20.0%)と「やや強い」(51.5%)のあわせて71.5%が罪悪感を感じている。
一方で常習犯になると、このふたつの割合は53.0%にとどまる。
また「あまり罪悪感を感じない」と回答した47.1%という割合は、常習性のない人の約2倍にものぼる。
そもそも罪悪感をたいして感じていなかったり、仮に罪悪感を感じていてもドタキャンを繰り返すのだから、常習犯に更生を期待することは望み薄というものだ。
つまりあなたが好きになってしまった相手がドタキャン常習犯だった場合、あなたはその恋を諦めるか、ドタキャンを受け入れるかの究極の2択を迫られることになる。
本稿では、惚れた者の弱みということで、ドタキャン癖を受け入れることをおすすめしたい。
とはいえ、生真面目な人がドタキャンを何度も繰り返され、そのたびにショックを受け続けるのは精神衛生上よろしくない。
そこでこのドタキャン常習犯がなぜ何度もドタキャンするのかや、そのとき何を考えているのか?を明らかにしてみよう。
ドタキャン常習犯の3つの特徴
ドタキャン常習犯には共通する傾向が3つある。
結論からいえば、それぞれの傾向を見ていくことで、ドタキャン常習犯が起こすドタキャンの「無意味さ」が浮かび上がった。
詳しく見ていくことにしよう。
【特徴1】自分の感情に素直である
まずはドタキャン常習犯がドタキャンをする理由を見よう。
「面倒くさくなった」(58.8%)が群を抜いての1位となった。
冒頭で示した全体のデートをドタキャンする理由の「面倒くさい」を押し上げていたのはこの常習犯たちであることがわかる。
このことを「自分は面倒くさく思われている」と悲観的にとらえることもできるが、そうではない。
常習犯たちの思考では、たとえあなたのことが大好きであっても「面倒くさい」の感情が勝つのである。
悪くいえば自己中心的だが、よくいえば自分の感情に素直ともいえる。
そこには裏もなにもない。
あなたのことが嫌いだからや、あなたへの好意が冷めたわけでなく、デートに出かけたり、誰かに会ったりするのがただただ面倒くさいだけ、なのだ。
また「相手を試してみたかった」(11.8%)が面倒くさいに続く理由だが、これもドタキャン癖のある自分を許容してくれるのか?を見定めたいという常習犯たちの心理の表われなのかもしれない。
もしそうならドタキャン常習犯を厳しく問い詰めたり、いつまでも腹を立てているのは逆効果である。
そんな経験はこれまでに何度もしてきただろうし、それでついえた恋や友情もあったはずだ。
それでもドタキャン常習犯たちはドタキャンをやめない。
――面倒くさいから、である。
【特徴2】比較的モテる
そんなドタキャン常習犯であるが、意外な特徴が見つかった。
それが「モテ度」の高さである。
あくまで自己評価に基づく回答だが、ドタキャン常習犯は「モテ度」が「かなりモテる」(29.4%)、「少しはモテる」(35.3%)であわせて64.7%。
また非モテ度を表す「あまりモテない」と「まったくモテない」はともに0%という驚異の数字を叩き出した。
反対に一般人のモテ度34.6%、非モテ度33.1%と比較すると、その差は明らかである。
この結果を「常習犯たちは自身がモテるから、ドタキャンのような蛮行も許されると考えている」と見ることもできるかもしれない。
だが、現実ではその因果は逆ではないだろうか。
恋愛関係において男女が「振り回す/振り回される」の関係に陥ることはおおいにあることだ。
むしろ現代日本では「自身が振り回すよりも、振り回されたい」と考える男女のほうが多いのではないだろうか。
それは「推し活」や時には「お猫様」のような、偶像化された人間や人間以外への信仰としてあらわれる。
このとき、先ほどの「自分の感情に素直」なドタキャン常習犯はどう映るだろうか?
ドタキャン常習犯はデートの約束以外にも、食べたいものや、行きたい場所など日ごろから自己本位な言動をとっている可能性が高い。
多数派の「振り回されたい」側にとって、格好の信仰対象になってしまうのである。
ゆえに多くの異性から「モテる」のだ。
ドタキャン自体に寛容である
最後にドタキャン常習犯に「自身がドタキャンされたらどう思うのか?」を聞いた。
結果は下図だ。
上半分の項目は「許さない派」、下半分の項目を「許す派」として分けると、こうなる。
許す派 | 許さない派 | |
常習犯 | 76.5% | 23.5% |
非常習犯 | 58.1% | 42.0% |
自身がドタキャンを繰り返しているわけで、許すも許さないもないだろうと思うかもしれない。
が、ドタキャン常習犯はドタキャンに比較的寛容であることがわかる。
先ほどの罪悪感もあわせて考えると、ドタキャンをすることの深刻度が一般の人よりも浅いとも言える。
そもそものドタキャンに対する「感覚」の違いに行きついてしまう。
しかし冷静に考えてみよう。
我々一般人がデートをドタキャンされたことで、なにが一番ショックかと言うと「ものすごくぞんざいな扱いを受けた」ことへのショックではないだろうか。
このショックが正当なショックとして成立するのは、ドタキャンする側があなたを「まるでどうでもいいヤツのように扱ってやろう」という悪意にもとづいてドタキャンしたときだ。
しかし常習犯のドタキャンは、
・シンプルに面倒くさいだけ
・ドタキャンはそこまで罪深い行為でもない
の認識のもと行われているわけで、そこに悪意はない。
つまりドタキャン常習犯からドタキャンされるのは、一定確率で茶柱が立つのと同じくらい自然な現象と考えてみてはいかがだろうか?
茶柱が立ったことに「昨日残業してる人を手伝ってあげたからだ」とか「コンビニの募金箱にお釣りを入れたからだ」などの因果関係を本気で信じる人はいない。
同様にドタキャン常習犯にドタキャンされるのは、あなたに非や落ち度があるわけでもなく、まったくあなたとはまったく別の理屈でドタキャンが起こっているだけだ。
気にした方が負け、である。
まとめ
本稿ではデートのドタキャンをしたことがある277名にアンケート調査をおこない、その真相を明らかにすることを試みた。
本調査で判明したことをまとめると下記だ。
本調査の結論
・ドタキャン=脈なしの判断は間違っている
・好意がある相手なら、ドタキャンの理由は真実
・好意のない相手なら、ドタキャンの理由はウソ
・好意のある・なしは、ドタキャン後の別日の提案の有無でわかる
・ドタキャン常習犯は更生しないので受け入れるしかない
ドタキャンされても、めげる必要はないと結論づけられる。
アンケート実施方法
アンケート方法
・アンケート方法 インターネット上でアンケートを実施
・回答者数 277名
・調査日 2021年2月25日
・設問は単一選択式、および複数回答
・調査主体 【300人のホンネ】編集部
コメント