マクドナルドのチキンマックナゲットにつけるソースに関して、長年バーベキューソース派とマスタードソース派の激しい論争が繰り広げられてきた。
それに先立ちまずは、この調査結果をご覧いただきたい。
もし友人や恋人とナゲットをシェアするとして、そのシェアした人物が自分の好みではないナゲットソースを選択してしまったとき、男性は38.7%、女性は50.7%が「ちょっとイラッとする」以上の感情を抱く。
特に女性は「表にこそ出さないものの、心中は穏やかではない」と回答した人が20.0%にも昇る。
これは意中の女性とナゲットをシェアする場合、ナゲットソースの選択ミスで「気の利かない男」や「趣味があわない男」というレッテルを貼られてしまうことにもなりかねない事態である。
たかがナゲットソース、されどナゲットソースである。
というわけで、当サイト【300人のホンネ】編集部は、このバーベキューソース派とマスタードソース派の飽くなき論争に終止符を打つべく、300人の男女に対して緊急アンケートを実施した。
本稿はその調査結果を報告するものである。
▼本調査の結論
・ナゲットソースは「バーベキューソース」派が僅差でリード
・ナゲット論争はソースを「2つもらう」ことで早期解決する
・期間限定ソースの人気も根強い
・みんなチキンマックナゲットが大好き
では以下、詳しく見ていくことにしよう。
選びたいナゲットソースは僅差でバーベキューソース派が勝利
それでは早速マクドナルドのチキンマックナゲットにもっとも合う定番ソースから見ていくことにしよう。
結果は下図である。
見ての通り、「バーベキューソース」が45.0%と最多票を獲得し、34.7%の「マスタードソース」を僅差で競り勝った結果となった。
また「気分によって変える」というフレキシブルなソース選びをする人は13.3%に止まったことから、お気に入りのナゲットソースは固定されている人が多いことがうかがえる。
また上図の回答を男女別にクロス集計しなおした結果が下図である。
男性はバーベキューソースもナゲットソースも40.0%と同数だが、女性はバーベキューソース46.7%に対し、マスタードソースは32.9%とやや票が割れる格好となった。
つまりバーベキューソースの支持率は、女性からの支持によって下支えされたと言えそうだ。
ではなぜバーベキューソースは、女性からの支持を集めることができたのか?
ここからはバーベキューソース派/マスタードソース派/フレキシブル派のそれぞれの言い分に耳を傾けることにしよう。
バーベキューソース派の主張
まずはバーベキューソース派の主張を見ていくことにしよう。
バーベキューが好きなのであまり冒険はしません。子どもとシェアしやすい味です。(36歳女性)
小さい頃からずっと食べていて、馴染みのある味だから。(30歳女性)
バーベキューソース派の主張をひも解くうえで、重要なキーワードは「幼少期」である。
幼少の頃、ランチで立ち寄ったマクドナルドでナゲットを食べたとき、母親がバーベキューソースを選んでいた記憶はないだろうか?
幼い子どものナゲットのソースを選択するとき、やや鼻に抜ける辛みがあるマスタードソースはどうしても選びにくい。
となると、自身が幼少の頃に母親から渡されるソースはバーベキューソースということになる。
そして今度は自身が親になったとき、幼い我が子に渡すソースもまたバーベキューとなる。
このように母親から子へ受け継がれていくものが「バーベキューソース」なのである。
幼少の頃に覚えたバーベキューソースの味は、大人になったいまチキンマックナゲットを目の前にすると、一種のノスタルジーを喚起する。
バーベキューソース派には、そうした幼少のころの記憶と、自身の幼い子どもと一緒に食べやすいという現実的な側面を主張する声が多く挙がっていた。
またバーベキューソース派の主張にはこうしたものもある。
ケチャップやマスタードだと市販のもので代用ができそうな気がするが、バーベキューソースは同じ味のものがないと思ったため。あのソースを味わいたいがためにナゲットを頼むこともあります。(32歳女性)
そう、バーベキューソースは「マクドナルドでしか味わえない味」なのである。
こうしたバーベキューソースがもつ味の固有性も、支持を集めた要因となった。
マスタードソース派の主張
続いて、バーベキューソースにトップの座を明け渡すことになったマスタードソース派の主張に耳を傾けることにしよう。
ナゲットは脂っこいが、マスタードソースだと酸味があって、さっぱりと食べられるから。(22歳女性)
さっぱりしていていくらでもナゲットが食べられるから。また、ポテトにつけてもおいしいから。(24歳男性)
マスタードソース派の主張の主だったところは、「サッパリできる」である。
特に若い男性なら、マクドナルドのセットメニューでフライドポテトをつけて、さらにチキンマックナゲットもつけるという「揚げ物×揚げ物」という禁断の組み合わせをしたことがあるはずだ。
そうしたとき、頼りになるものといえばマスタードソースである。
口の中が脂っこくなってしまったとき、マスタードソースは口の中のイヤな感じや胃袋の重たさをリセットしてくれる。
つまり「いくらでもいける」状態、その起爆剤となるのがマスタードソースというわけだ。
昨今フィットネスブームもあってローカーボ(低糖質)やローファット(低脂質)志向が甚だしいが、自分の金で自分の好きなものを食しているときに、一体だれに気を遣う必要があるというのか?
どこまでもいこう、マスタードソースとともに。
バランス派の主張
さて全体の割合では13.3%と低い割合におさえられた、そのときの気分によってソースを柔軟に変えるバランス派だが、気になる主張があったので取り上げることにしたい。
バーガーとの組み合わせ(例えばテリヤキバーガーの時はマスタードソース、チーズバーガーはカラシを使っているからバーベキューソースなど)で変えます。(33歳女性)
ケチャップ、バーベキュー、マスターズを、その時に食べるバーガーにより変えています。(50歳男性)
ほぼ思考停止状態でバーベキューソース一択の筆者にとって、ハンバーガーとのバランスでソースを決めるなんていう選択法は、まさに目からうろこである。
ハンバーガーに使われている調味料とナゲットソースを住み分けることで、味のバリエーションもぐっと広がりが出せる。
まさに1流のマクドナルドカスタマーと呼ぶにふさわしい思考である。 バランス派のこうした主張は、ナゲットソース論争に新たな視点を一石投じてくれる。
ナゲットソース論争は「2個もらう」で即時解決ができる
ところでマクドナルドのチキンマックナゲットに合うソースとして、バーベキューソース派とマスタードソース派の熾烈な論争が繰り広げられている一方で、「両方もらえばいいのでは?」と冷めた目を向ける人もいるのではないだろうか?
その通りなのだ。
マクドナルドでは、チキンマックナゲット5ピースだと無料でソースが2つ、15ピースだと4つのソースが無料でもらえる。
マクドナルドの店頭でナゲット5ピースを注文すると、「バーベキューソースとマスタードソースのどちらになさいますか?」と店員さんに聞かれるが、これは誘導尋問である。
というのも「どちらか一方だけ」ではなく、「1個ずつください」の答えが成立するのだから。(2022年6月時点)
ご存じの方はなにを今さらと思われるかもしれないが、ナゲット5ピースでソースが2つもらえるという真実は、思ったよりも浸透していない。
下図を見ていただこう。
30代~50代では約半数の人が、20代でも1/3の割合でこの事実を知らない。
さらに「いつも2つソースをもらう」人の割合は、20%前後にまで落ち込み、ダブルソースの活用状況が芳しくない状況が見て取れる。
そもそも「ソースはひとつで十分」という人も全体で3割ほどいるが、知らずにもらっていないのと、知っててもらわないのとでは大違いである。
ナゲットソース論争は「どちらももらえばよい」で即時解決するのだが、この真実が日本国中に浸透するまで、もうしばらくの間ナゲットソース論争は続きそうだ。
期間限定ソースは約6割が積極利用
ここまではナゲットの定番ソースであるバーベキューソースとマスタードソースを中心に見てきた。
では定番ソースではなく、マクドナルドが定期的に仕掛けてくる期間限定ソースはどうなのだろうか?
その利用状況をまずは見てみることにしよう。
大きく見れば、期間限定ソースを利用している人は約6割で、そのうちの6.3%は期間限定ソース目当てにマクドナルドに来店する、いわばナゲットソース界の「ガチ勢」である。
また51.3%ともっとも多かったのは、たまたまマクドナルドに来店したタイミングで期間限定ソースがあれば利用するという偶発的な愛好者だ。
大半は偶発的な利用とはいえ、全体の6割の人が期間限定ソースを試すのはかなり高い割合と考えられる。
ではこれまでに配布された期間限定ソースの中で、一体どのソースが人気を集めるのだろうか?
定番化してほしい期間限定ソースランキング
そこでこれまでに期間限定ソースとして配布されたもののなかで、定番ソース化してほしいソースについて聞いてみることにした。
その結果をランキング化し、TOP10を抜粋したものが下表である。
1 | にんにく醤油マヨソース 2022年 | 23.0% |
2 | サワークリームオニオンソース 2010年、2013年 | 20.0% |
3 | てりやきマヨソース 2013年 | 18.0% |
4 | タルタルソース 2013年 | 15.3% |
5 | 贅沢チーズフォンデュソース2017年 | 15.3% |
6 | レモンタルタルソース 2017年 | 14.7% |
7 | レモンペッパーソース 2022年 | 13.7% |
8 | 夢のオマールエビソース 2017年 | 11.3% |
9 | トマト&ハラペーニョソース2022年 | 10.3% |
10 | バジル&チーズソース2014年 | 9.0% |
全体的にみると、マヨネーズやレモンやトマトなど酸味のあるさっぱりしたソースが上位にランクインしやすい傾向にあることがわかる。
これはマスタードソースのところでも触れたが、揚げ物と酸味の相性のよさという点が考えられそうだ。
一方でチーズフォンデュやオマールエビなど、鶏肉であるナゲットの淡白な味に濃厚な味わいを重ねたいという欲求も見てとれる。
あなたのお気に入りの期間限定ソースはランクインしていただろうか?
ナゲットソースを自宅で作る簡単レシピ
ところで定番ソースであるバーベキューソースと、マスタードソースを家庭にある調味料で再現できないものだろうか?
それができれば冷凍のナゲットやポテトに添えて手軽に楽しむこともできるし、またいろんな料理やお菓子にディップして、ソースとの相性を試してみることもできる。
ところが、である。
マックでしばらくバイトをしていたが、レシピはほとんどの人が知らないと思う。(31歳女性)
との証言がある通り、これらの定番ソースのレシピは公にはされていない。
であれば、完全に一致とはいかないまでも近いものは作れないだろうか?
そこで回答者のうちの有志に、考えつく定番ナゲットソースのレシピを聞いてみることにした。
バーベキューソースに近いレシピ
まずは手間をかけずに比較的バーベキューソースに近づくレシピからご紹介しよう。
ケチャップ大さじ2に対して、お好み焼きソース小さじ1、コショウを一振りすると似た味にすることができました。(35歳女性)
このお好み焼きソースを焼肉のたれとするアイデアもあったが、いずれも簡単にできるので一度試してみてほしい。
もっと手間暇をかけられるから完成度をあげたいという方には、こちらのレシピもある。
ハンバーグを焼いた後の肉汁の残りにケチャップ、ソース、醤油、砂糖、オニオン粉末を混ぜて熱したものを冷まします。(46歳女性)
バーベキューソースの後味としてほのかに残る、あの「燻製感」を再現しようとしたレシピだ。
どうせ残り汁は捨ててしまうものなので、ハンバーグを焼いた際に一度チャレンジしてみてはいかがだろうか?
マスタードソースに近いレシピ
マスタード、マヨネーズ、ケチャップ、ハチミツ、隠し味に醤油を入れ混ぜ合わせて仕上げる。(35歳女性)
マスタード大さじ3、マヨネーズ大さじ1、しょうゆ小さじ1、ハチミツ小さじ1を混ぜ合わせる。(37歳男性)
マスタードソースのほうはバーベキューソースに比べ再現しやすいのか、レシピは上記のようにおおむね一致したものが多かった。
隠し味に醤油なんて一体どうやって見抜いたのか聞きたいところだが、すぐれた味覚をお持ちの回答者がいるものだ。
あの大量につけても辛すぎず、酸っぱすぎないマスタードソースがいい感じに再現されているので、ぜひこちらも一度試していただきたい。
ナゲットにあうオリジナルナゲットソース一覧
昨今ではマクドナルドのテイクアウトを利用する方も増えたと思う。
テイクアウトなら家庭にある調味料にナゲットをディップして、さまざまな味変を楽しむこともできる。
そこチキンマックナゲットに合う家庭用調味料についても聞いてみた。
中でも多かったのは、
・オーロラソース(ケチャップ&マヨネーズ)
・スイートチリソース
あたりだが、実に70近いアイデアが寄せられた。
そのすべてを掲載するので、ピンとくるものがあれば、ナゲットをディップしてみてほしい。
▼マヨネーズベースのオリジナルソースアイデア
マヨネーズ、アイオリソース、からし&マヨネーズ、マヨネーズ&オイスターソース、マヨネーズ&お好みソース、マヨネーズ&レモン、マヨネーズ&胡椒、マヨネーズ&柚子胡椒、マヨネーズ&粒マスタード、マヨネーズ&醤油、梅わさびマヨネーズ
▼ケチャップベースのオリジナルソースアイデア
ケチャップ、ケチャップ&マヨネーズ(オーロラソース)、ケチャップ&からし、ケチャップ&ソース、ケチャップ&マスタード、ケチャップ&粉チーズ
▼ソースベースのオリジナルソースアイデア
ウスターソース、とんかつソース、中濃ソース、焼肉のたれ
▼酢ベースのオリジナルソースアイデア
ポン酢、ポン酢&ごまだれ、ポン酢&マヨネーズ、ポン酢マヨネーズ、バルサミコ酢、黒酢、酢醤油
▼塩ベースのオリジナルソースアイデア
岩塩、クレイジーソルト、マジックソルト、塩昆布
▼唐辛子ベースのオリジナルソースアイデア
スイートチリソース、サルサソース、タバスコ、島スコ
▼味噌ベースのオリジナルソースアイデア
コチュジャン、甘味噌、味噌マヨネーズ
▼その他のオリジナルソースアイデア
わさび、わさび醤油、オリーブオイル、生姜油、クリームチーズ、とろけるチーズ、コーンポタージュ、メープルシロップ、レモン、レモンねぎ塩、柚子胡椒
名脇役の座はマックフライポテトに明け渡す
さてここまではナゲットソースを中心に見てきたが、こんな疑問を感じた方はいないだろうか?
「そもそもマクドナルドのセットメニューにつけるサイドメニューって、ナゲット?それともポテト?」
少し脇道にはそれるが、せっかくの機会なのでマクドナルドの人気No.1サイドメニューについても触れることにししょう。
マクドナルドのセットにつけるサイドメニューでは圧倒的に「マックフライポテト」(73.7%)が人気ナンバーワンとなった。
確かにマックフライポテトの食べ応えといったら、メインのバーガーに迫ると言っても過言ではない……。
バーガーのサイドメニューにマックフライポテト、ここにさらに炭酸飲料を組み合わせれば、食べ盛りのお子様もうなってしまうレベルである。
ではチキンマックフライは不人気メニューなのかというと、決してそうではない。
95%の人がナゲットに愛がある
全体では90%以上の回答者がナゲットに対する愛情を抱いているし、男性は21.3%、女性は14.2%の割合でメインのハンバーガーよりも愛していることを告白している。
No.1バイプレイヤー(脇役)の座はマックフライポテトに明け渡してしまったとは言え、チキンマックナゲットが名脇役であることは揺るぎない事実である。
まとめ
以上のように、マクドナルドのナゲットソースにまつわる調査結果を見てきた。
本調査の結論は下記である。
▼本調査の結論
・ナゲットソースは「バーベキューソース」派が僅差でリード
・ナゲット論争はソースを「2つもらう」ことで即時解決する
・期間限定ソースの人気も根強い
・みんなチキンマックナゲットが大好き
アンケート実施方法
アンケート方法
・アンケート方法 インターネット上でアンケートを実施
・回答者数 チキンマックナゲットを食べたことがある男女300名
・調査日 2022年6月15日
・インターネットアンケート
・調査主体 【300人のホンネ】編集部
・回答者性別 男性25.0%、女性75.0%
・回答者平均年齢 36.6歳
コメント