多くの人にとって、ゆったりとパーソナルスペースがとれる空間は心地よいものである。
しかしながらそんなパーソナルスペースに、土足で踏み入ってくる存在、それが「トナラー」だ。
トナラーとは、周囲がガラガラに空いているのにわざわざ隣に座ってくる人のことで、電車・バス、駐車場、飲食店など、さまざまなところで遭遇する。
まずはそんなトナラーに対する世間の視線をご覧いただきたい。

トナラーに対して男女ともに9割以上が不快感を示し、さらにトナラーにいくばくかの好感を覚える人はゼロである。
つまり世間の人々はトナラーにものすごく冷たい視線を送っている、ということになる。
本稿ではまず、このトナラーによる被害状況を明らかにしたうえで、「なぜ隣に座るのか?」というトナラーの心理を明らかにしていく。
本稿を最後まで読めば、あなたのトナラーを見る目は大きく変わることだろう。
▼今回の調査の結論
・トナラーの心理は6つのタイプに分類される
・トナラーの最大派閥は浮くことを嫌う「同調型トナラー」
・トナラーは老若男女わけ隔てなく存在する
【2025年版】トナラー被害の状況
まずは2025年現在のトナラーの被害状況をザっと確認しておきたい。
というのも、トナラー被害者たちの証言を聞いていると、「それなんていうホラー小説?」と聞きたくなるようなエピソードも散見される。
そんなトナラー被害者たちのゾッとするエピソードを交えながら、被害状況を見ていくことにしよう。
トナラーは忘れた頃に隣にいる
まずは全国のトナラー被害者200人に、これまでにトナラーとの遭遇回数を聞いた結果が下図だ。

男女ともに「2~3回」と回答した人の割合が45%ほどでもっとも多く、人生において忘れた頃にふと気づくと隣にトナラーがいる、という状況が一般的であることがわかる。
一方で男女ともに1割程度の人は「10回以上」とトナラーと頻繁にエンカウント(遭遇)しており、トナラーを引き寄せる体質としか言いようがない人たちも確認できる。
一例を挙げると、特定のトナラーに繰り返し何度も隣に座られる女性回答者もいた。
「高校生の頃、ガラガラの通学電車内で必ず女子高生の隣に座ることで有名なおじさんが隣に座ってきた」(32歳女性)
ただし誤解がないように先に言っておくと、大半のトナラーは若年層の隣を好む傾向はあるものの、特定の人物に執拗に狙いを定めていることはむしろ稀だ。
繰り返しになるが、ここでは「忘れた頃にトナラーが隣にいる」というのが一般的なトナラーとの遭遇回数であることは強調しておきたい。
トナラーは電車・バスでのエンカウント率が高い
次にトナラーとエンカウントした場所について聞いてみたところ、ぶっちぎりで「電車・バス」(71.5%)のような公共交通機関でのエンカウント率が最多であることがわかった。

「電車・バス」が最多になった理由は、回答者の利用頻度が高いことが背景にある(行きと帰りで日あたり2回は利用する)と思われ、ある意味自然な結果といえる。
しかし中には、ゾッとする場所でトナラーにエンカウントしている人もいる。
「平日のかなり空いている時間帯の映画館で、たくさん空席がありました。
私は普段から後ろのほうの席で観ることが多いです。そのため後ろのほうで1列すべての席が空席の列があったので真ん中の席を上映開始1時間前に購入しました。
その後、30分くらい前にも確認していましたが、ほとんど変わらずほぼ空席の状態。
ですが、上映時間になったので購入した席に行くと、上映時間の直前に購入されたと思われる方が隣に来てびっくりしました。もちろん、他に席はたくさん空いていました!」(48歳女性)
ガラガラの映画館は、上映中に照明が消えて暗くなるので身の危険さえ感じるところだ。
もちろん隣に座られたらせっかくの映画も、気になって全然頭に入ってこなくなる恐れもある。
また憩いの食事中にも、思わぬ形でトナラーとエンカウントした人もいた。
「ガラガラの寿司屋でしたが、なにも言わないままトナラーに相席されそうになりました。さすがに店員さんに止められて、違う席に誘導されていきました」(36歳女性)
近年飲食店が客側に相席を求めることはかなり少なくなったが、知らない人と相席というだけでもイヤなものだ。
それがガラガラの店内での相席ともなれば、気まずくてせっかくの料理も喉を通らなくなるだろう。
最後に男性なら多くの人が身に覚えがあるエピソードもピックアップしておく。
「たくさんある小便器の比較的手前の方で用を足していたところ、隣におじさんがやってきて気持ちが悪かった。確かに手前の方ではあったが、もっと手前にも便器あるよね、と思いました。
隣に人の気配を感じると出るものも出なくなる気がして、非常に圧を感じました」(40歳男性)
男性の小便器では、よほど混みあっていない限り1つ空けて使用するという暗黙のルールがある。
なんのためにそうしているのかはわからないが、お互い目に触れたくないものを出し合っている状態なので、より見えづらくするという配慮も含まれていると思う。
そんな暗黙のルールをトナラーはぶち破ってくるわけで、不快感を覚えるのも無理はない。
中年男性のトナラーはインパクトが大きい
では一体トナラーは男女のどちらが多く、どの年齢層の人が多いのだろうか?
このことについては、トナラー本人と被害者の間で大きな食い違いが見られた。
まず被害者目線に立つと、圧倒的にトナラーは男性が多いという結果になった。

こと男性にいたっては、9割以上の男性が男性のトナラーに隣を座を奪われており、トナラーといえば男性と言えなくもない結果である。
また遭遇したトナラーの年齢層を聞くと、やはり「中年層(40~50代)」がボリュームゾーンということになる。

つまりこの二つの結果を総合すると、トナラーとして多いのは「中年男性」という結論になる。
しかしながら、今回の調査ではトナラー被害者200人だけでなく、自分をトナラーだと思う全国の男女82人も協力してくれている。
そのトナラーたちの属性を見ると、下図だ。

まずトナラーの男女割合はほぼ半々で、トナラーの性別に男女差の偏りはないことがわかる。
またトナラーの年齢層を見ても、若年層である「20~39歳」が57.4%と中年層(40.2%)よりも上回っている。
もちろんインターネットアンケートという調査方法の特性もあるので、この割合をそのまま社会全体のトナラーの割合として見ることはできない。
だが少なくとも、トナラーは男女どちらにも、どの年齢層にも存在するものであり、なにも中年男性が突出して多いわけではない。
つまり、筆者自身も中年男性なのでなんとも悲しいところではあるが、中年男性のトナラーは被害者に残すインパクトが特に強く、記憶に残りやすいということなのではないだろうか。
トナラーは老若男女問わず存在するが、横に座られたときに感じるストレスは「中年男性」がもっとも強い、ということになる。
トナラーはただ横にいるだけ
次にトナラー被害者たちは、トナラーに横に居座られる以上の被害をこうむっているのだろうか?
結果は男女ともに9割近い被害者が、単に横に陣取られただけで、接触はなかったと回答している。

またこの結果はトナラー本人に聞いたアンケート結果とも一致しており、「話しかけないことが多い」と「話しかけたことはない」を合わせると、96.3%のトナラーが隣に座る人との接触を否定している。

つまりトナラーとは、ガラガラに空いている状況であなたの隣に来て居座るものの、なにもものを言うこともなく、ただそこに存在し続けるだけなのだ。
これがトナラーと変質者が決定的に異なるところだ。
変質者は執拗に絡んできたり、身体に触れてくるなどの実害がともなうが、トナラーは横に来て圧や気まずさを感じさせることはあっても、それ以上の害はない。
もちろん先の例にも見たように飲食店でいきなり相席などされれば、それだけでも十分害だと見ることもできる。
だがトナラー本人にはあなたにストレスを与えてやろうなどという悪意はなく、そこに事件性や違法性があるわけではない。
つまり見方を変えれば、害がない霊のようなもので、できれば見えないところに行ってほしいが、それを強制できる道理もないということになる。
ただ問題があるとすれば、あなたの横に座ったのが無害なトナラーなのか、悪意をもった変質者かの見分けが瞬時にできず、座られたほうからすれば警戒せざるをえないという点に尽きる。
トナラーへは「自身が移動する」ことで対処する人が多い
ではこうしたトナラーが隣に位置どったとき、多くの人はどのような対処をとるのだろうか?
結果は女性の60.8%、男性の50.0%が自身が席を移動することで、トナラーと隣りあっている状況を解消するという対処をとっている。

回答者の回答を上げれば、具体的にはこのような対処法だった。
「次の駅に着いたところで、降りるふりをして別の車両に移動しました」(30歳女性)
「トナラーに対して特に直接的な対応はせず、自分が少しだけ駐車していた車を移動させました。特にトラブルにしたくなかったので、静かに距離を取ることで対応しました」(30歳女性)
男性よりも女性のほうがトナラーに対して積極的に対応している状況が見られるが、一方で男女ともに2割は「我慢した」と回答しており、トナラーに屈してしまう人も少なからずいることがわかる。
さてここまではトナラーの被害状況について確認してきたが、総じて言えることはトナラーは多くの人にとって不気味であり、とらえどころのない存在であることは疑いない。
では次章から、トナラー本人たちに聞き取りした内容に基づき、「なぜ誰かの隣に位置取りしたくなるのか?」という心理面を見ていくことにしたい。
トナラーがあなたの隣に座る6つの心理
トナラーの自覚がある全国の男女82人たちに、ガラガラの状況で見知らぬ人の隣に行ってしまう理由を聞いたところ、その理由は大きく6つに分類できた。
つまりトナラーには、下記の6つのタイプが存在することになる。
▼トナラーのタイプ別分類
安心できるから(同調型トナラー)
無意識(無意識型トナラー)
自衛のため(草食動物型トナラー)
周囲への気遣い(合理的トナラー)
座りたい席だから(こだわり型トナラー)
下心から
以下、それぞれのタイプの掘り下げて見ていくことにする。
安心できるから(同調型トナラー、36.6%)
まずトナラーが挙げた心理として最大派閥を築いているのが、「安心できるから」という心理で36.6%を占めた。
このタイプのトナラーをひと言でいうと、浮くことや目立つことを嫌う人たちで、周りに溶け込み調和することを第一に考えている。
「駐車場だと、同じメーカーの車が駐車していたら安心感があるから」(32歳男性)
「例えば駐車場で、1人離れた所に車をとめたとき、空からなにか落ちてきたり、ほかの車が突っ込んできた時自分だけ被害に遭うのは嫌だし、それをジロジロ見られるのが嫌だから。どうせ災いが起こるなら、みんなに起これば怖くないです」(51歳、女性)
連れだってトイレに立ったり、ひとりで飲食店に入るのをためらったり、友人へのプレゼントで当たり障りのないド定番のものをチョイスしたり、周りが結婚し始めたら婚活を始めだしたり…
人には誰しもこのような「周りと足並みをそろえたい」という欲求が、多かれ少なかれ存在する。
同調型トナラーの心理は、こうした周りに溶け込みたいという欲求の延長上にあると考えられ、ポツンと単独でいるとそれだけで浮いてしまうのでどうしても居心地が悪くなってしまう。
そのためガラガラの状況になると、寄らば大樹の影という心理が働き、誰かの隣に位置取ることで環境に調和しようとする。
無意識(無意識型トナラー、25.6%)
次のトナラーのタイプは無意識型トナラーというタイプで、気が付けば誰かに寄りそう位置をとってしまっているというタイプだ。
「無意識のうちに隣に座ってしまうことが多いです。特に、周りに人が少ないと余計に気にせず座ってしまうことが多いです。あとから「なんで隣を選んだんだろう?」と考えてしまうこともあります」(30歳女性)
「気にしてなかったけど、人から指摘されて自分の癖に気づいた」(45歳女性)
このタイプのトナラーは自分の心理を言語化できていないだけで、ほかのいずれかのタイプに属するものと考えられる。
ただし、無意識なので本人も直しようもないというのが特異な点で、もっとも厄介といえば厄介でもある。
自衛のため(草食動物型トナラー、15.9%)
次のトナラーのタイプは、「自衛のため」という心理で草食動物型トナラーと名付けた。
具体的には、このようなトナラーたちだ。
「横に変なやつが座るくらいなら、はじめからまともな人の横にいたい」(36歳女性)
「ガラガラでも高級車の隣に止めておけば、ドアパンチや当て逃げの心配が少ないので」(50歳男性)
こうしたトナラーの心理は、己の身を守ることに尽きる。
もし悪意をもった人が襲いかかってきたら、隣にいる人と共に戦うつもりなのか、それとも隣の人を盾にして逃げるつもりなのかはわからないが、自衛意識が人よりも高い人たちと言える。
一体過去にどんな過酷な環境に置かれていたのか気になるところだが、心理的には理解できるところが大きい。
周囲への気遣い(合理的トナラー、13.4%)
次のトナラーのタイプは、周囲への気遣いが強い形で表れる人たちだ。
意表を突くような合理性をもっていることから、合理的トナラーと名付けた。
「広いスペースは、身体の大きい人や荷物が多い人、障害を抱えている人などのために空けておいたほうがいいのかなと思ってしまうので、待合室や電車でも誰かの隣や近くに座ることが多いです」(41歳男性)
「飲食店だと、店員さんの移動が大変だと思ってしまうから」(33歳女性)
このタイプのトナラーにあるものは徹底した周囲への配慮であり、自身は多少窮屈な思いをしても他人のためにスペースを譲っている。
もはや自己犠牲の塊としか言いようがない。
座りたい席だから(こだわり型トナラー7.3%)
次のトナラーのタイプは、こだわり型トナラーだ。
つまり「いつもの私の席の隣に、あなたが座ってきただけ」という認識のトナラーだ。
「自分の座りたい席だと、座らざるを得ないから」(24歳男性)
行きつけの店の座席であったり、通勤電車や駐車場のいつもの定位置など、他人との共有スペースであるはずのところに、自分のテリトリーを築いてしまう人は少なくない。
つまりこの手のこだわり型のトナラーの視点に立てば、むしろあなたのほうがテリトリーを侵犯するトナラーである。
もちろん実質的にはテリトリーでもなんでもないので「そんなん知らんがな」としか言いようがない。
だが、トナラー側も「なぜこんなに空いているのに、わざわざ私の席に座るのか?」と思っているわけで、この両者の折り合いは一生つかないだろう。
下心から(1.2%)
最後のトナラーはトナラーのタイプでもなんでもないが、やはりこういう「よこしまなトナラー」も少数はいる。
「故意ですが、綺麗な女性の横に座りたいからです」(45歳男性)
これは恋する乙女が「好きな人の横に陣取りたい。さすればワンチャン向こうから話しかけてくれるかもしれない」と夢見るのと同質の心理だ。
ただ強調しておきたいのは、こうしたよこしまなトナラーの割合はたったの1.2%である。
トナラーの、特に男性トナラーの大半は下心から女性の隣に座っているわけではなく、上で見たいずれかの心理から女性の隣に座っている。
なんでもかんでもおじさんを悪者にすればそれっぽく見える謎の風潮があるが、トナラーに関してはまったく当てはまらないので、読者の方もこの点は誤解のないようにご留意いただきたい。
トナラーの知られざる生態
これまでトナラーが隣に座ってくる心理面を6つのタイプに分類して見てきたが、最後にトナラーの生態面も少し目を向けておこう。
先にもトナラーは男女の差なく、どの年齢層にも存在するなど、意外な側面を示したが、生態面もかなり意外だった。
トナラーは同性の若者を好む
先に「トナラーが特定の人物を狙うことはかなりレア」ということはお伝えしたが、トナラーに「どういう人の隣に座りたいのか?」を問うと、同性の若者という結論になった。
まずトナラーに隣に行きたくなる性別を聞いたところ、女性トナラーの70.0%、男性トナラーの42.9%が同性と回答した。

確かに女性トナラーに比べ、男性トナラーは異性に行きたがる割合が増えるが、それでも35.7%程度だ。
「同性」もしくは「性別は問わない」男性トナラーが64.3%の過半数を占めていることから、女性を狙っているわけではないということはできる。
もちろん女性は、女性トナラーの7割と男性トナラーの約4割からも好まれるので、トナラーに隣の席を奪われる機会は必然的に多くなるわけだが…。
ただしここでは、多くのトナラーは同性の隣を好むという事実に目を向けておくことにしたい。
これはトナラーの心理の章で見た「周りから浮きたくない・周囲と同調したい」という同調型トナラーが最大派閥を占めたことからも、同性の隣が好まれるのは自然な結果といえる。
次にトナラーに「どういう年齢層の隣に行きたいか?」を聞いたところ、若年層が人気となった。

男性トナラーの50.0%、女性トナラーの35.0%が若年層の隣を好んでいる。
また同じトナラーでも男女差が微妙に見られ、女性トナラーは「同性であれば年齢層は問わない」という回答者が35.0%いる一方で、男性トナラーは明確に若年層の隣を好む。
このように若年層が好まれるのは、我が身を守るためにトナラー化している「草食動物型トナラー」や、周囲への配慮が強い「合理的トナラー」からの支持が集まったものと考えられる。
つまり「草食動物型トナラー」にとっては、我が身を守るうえで比較的馬力がある若年層の隣にいたほうが有利だ。
また「合理的トナラー」にとって、中年層や高年層よりも健康な人が多い若年層は配慮すべき対象ではなく、スペースを詰めるべき対象と見られるということだ。
これらの結果を合わせてすると、多くのトナラーは同性の若年層を好むという結論になる。
それと同時に、「若年層の女性」は男女トナラー双方からの支持を集めやすいので、エンカウント率は高くなる一面も確認できる。
自身が与える影響を客観視できているトナラーは6割
では次に、冒頭でトナラーを見る世間の視線は徹底して冷たいことを確認したが、トナラー自身はそうした冷たい視線を自覚しているのだろうか?
そこで「ガラガラの状況で誰かの隣に陣取ることは不快感を与えていると思うか?」をトナラー本人に聞いてみたところ、62.2%が少なからず自覚があるという結果となった。

この結果を見ると、トナラーは無神経な人たちだと断罪するのは誤りであることがわかる。
ただし同時に「不快に思われている自覚があるなら、なぜトナラーをするのか?」という疑問も生じる。
この結果は相手に不快に思われるかもしれないが、そのリスクをとってでも「周囲に同化したい」や「自身の身を守る」という動機が強いと考えるのが妥当ではないだろうか。
またこうした自覚があるトナラーには「申し訳ないけど、狭いから離れてくれませんか?」といえばすんなり引き下がってくれる公算のほうが高い。
しかし厄介なのが残りの4割は、自身が与える不快感に無自覚という点だ。
中でも、自身の身を守るために隣に座っている草食動物型トナラーや、周囲への配慮が強い合理的トナラーは、「私が隣に座ることであなたまたは周囲の人にメリットがあるんじゃないんですか?」というカウンターパンチを携えて隣に座っていることになる。
この自身の行為に無自覚なトナラーを引いてしまったときは、最悪こちら側が悪者にされ、口論に発展するリスクを背負うことになる。
確率でいえば10回に6回はトナラーを引き下がらせることはできるが、この割合でそうした多大なリスクをとるのもあまりに冒険的だ。
トナラーの厄介でつかみどころのないところが、またひとつ追加された結果とも言える。
まとめ
以上がトナラーによる被害状況や、トナラーの生態、そしてなぜ隣に来るのか?という心理面を調査した結果だ。
最後に本稿の結論をおさらいしておくと、このようになる。
▼今回の調査の結論
・トナラーの心理は6つのタイプに分類される
・トナラーの最大派閥は浮くことを嫌う「同調型トナラー」
・トナラーは老若男女わけ隔てなく存在する
トナラーは多くの人にとって不気味でつかみどころのない存在ではあるが、今回の調査で明確な害も及ぼさない存在であることを示せたと思う。
そのため本当にトナラーであれば過度に警戒する必要はないが、ぱっと見では変質者と見分けがつきにくいところがトナラーが誤解を招くところであり、またトナラーの悲劇でもある。
どこまでもとらえどころのない存在、それがトナラーたるゆえんかもしれない。
アンケートについて
アンケート実施法
・アンケート方法 インターネット上でアンケートを実施
・回答者数 トナラーに遭遇したことがある男女200人とトナラーの自覚がある82人
・調査日 2025年1月27~2月4日
・設問は複数選択式、自由記入式
・調査主体 【300人のホンネ】編集部
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