あなたはひとり行動を好む「ひとり○○愛好家」だろうか?
それとも「ひとり○○」に憧れ、最初の一歩を踏み出すためにこのページにたどり着いたのだろうか?
ひとり○○のメリットは数々あるが、人生をより謳歌するために身につけておきたいスキルのひとつであることは疑いない。
「一緒に行ってくれる人が見つからずできない」ことが「ひとりでできる」ことに変わった瞬間、あなたの行動の選択肢は限りない広がりを見せることだろう。
本稿ではそんな世に多くある「ひとり○○」の経験率と難易度を示すだけでなく、ひとり行動好きでもなかなか真似できない高難易度の「ひとり○○」にもスポットを当てる。
これら先人たちが歩んだ道を見ることで、今後の自身のひとり○○の幅が広がるだけでなく、挑戦する勇気も得られるはずである。
それでは最後まで、じっくりとご覧いただきたい。
ソロ活好きが実際に経験したことがある「ひとり○○」ランキング
まずは、ソロ活好きの男女117人に実際に経験したことがある「ひとり○○」について聞いた。
この経験率の高さはそのままひとり○○としての難易度の低さと考えられるので、ソロ活初心者の方はぜひ経験率の高さに注目いただきたい。
また中級者以上のソロ活好きは、経験率の低さに着目することで、より高難易度なひとり○○にチャレンジする闘志が湧いてくるはずだ。
さまざまなひとり○○を、経験率の高さ順に並べると結果は下図となった。
まず経験率の高い「ひとり○○」から順に見ていこう。
「ひとり映画館」(75.2%)や「ひとり旅(国内)」(65.8%)は、ソロ活好きにとって大半が経験しており、朝飯前といった難易度だった。
筆者自身も「映画館って普通はひとりで行くもんじゃないの?」という感覚なので、この経験率の高さはうなずける結果だ。
このあたりに関しては、レイトショーの魅力に迫った過去の調査レポートに詳しいので、ぜひあわせてご覧いただきたい。
またひとり国内旅行に関しても、宿泊をはさむかはさまないかで経験率が大きく変わりそうではあるものの、日帰り旅行くらいならなんら心理的な抵抗を感じないのがひとり○○好きだ。
もはやひとり映画館やひとり国内旅行は、これを経験せずしてソロ活好きを自称できないと言っても過言ではないレベルである。
次に経験率はやや落ちるものの、ひとり○○好きらしい行動と言えるのが、「ひとりカラオケ」(53.0%)と「ひとり飲み」(47.0%)、「ひとりライブ・コンサート鑑賞」(41.0%)だ。
近年ではおひとり様向けのサービスも充実し始めている「ひとりカラオケ」や「ひとり飲み」だが、それだけ全国のひとり○○好きを惹きつける魅力がある行動とも言える。
ひとりカラオケの魅力や、ひとり飲みのはじめの一歩を踏み出すための準備は、過去調査で詳しく解説しているので、まだ経験したことがない方は、ぜひこれらを参考に一歩を踏みだしていただきたい。
また「ひとりライブ・コンサート鑑賞」は筆者の中では「ひとり映画館」と同じ地平上にあり、なんら心理的な抵抗を感じない行動だ。
どうせ何人で連れだって行っても、鑑賞中は無言で目の前に繰り広げられている世界に没頭することになるのだ。
むしろ一人で行ったほうが没入感が強まるので、ひとり行動を選択するメリットしかないとさえ言える。
さらに経験率が下がり、やや世間からは奇異な視線を向けられ始めるのが「ひとり焼肉」(34.2%)、「ひとり食べ放題」(22.2%)、「ひとり花見・花火大会」(21.4%)、「ひとり遊園地・テーマパーク」である。
ソロ活好きといえど特に女性は、自分が食べた量が周囲にも可視化されがちな「ひとり焼肉」や「ひとり食べ放題」に心理的な抵抗を覚える人が目立った。
また家族などの集団で参加することが前提となっている花見や花火大会も、周囲からの刺さるような視線が痛いという理由から経験率が落ち込んだ。
次にひとり行動をとることのリスクが明確に出てくるのが、「ソロキャンプ」(12.0%)、「ひとり旅(海外)」(12.0%)で、経験率はさらに落ち込んでいる。
女性のソロキャンプはセクハラまがいの行為をほかキャンパーから受ける被害がニュース化している。
また回答者の中には、こんな経験をしたことがある人もいた。
「ソロキャンプで北海道に行った。後で聞くと、そこはヒグマが出るところだと言われた」(59歳男性)
ソロであっても、2人でキャンプしていても、ヒグマとエンカウントしてしまったときの結果はあまり大差ないかもしれないが、ソロキャンプにはこうした野生動物に襲われるリスクも内包しているので事前の情報収集が欠かせない。
またひとり海外旅行ではちょっとしたコミュニケーションの齟齬から生じるトラブルから、盗難や強盗などの危険性まである。
最後に、世間からどん引きされるレベルの「ひとり○○」として、「ひとりプリクラ」(10.3%)、「ひとり海水浴」(6.0%)、「ひとりコース料理」(5.0%)となった。
いずれも現場に突入する時間帯や周囲の状況を読み切らないと、単に罰ゲームを受けている人にしか見えないが、ソロ活好きの数%は果敢にもこれらにトライし完遂している。
「ひとり海水浴」は、とにかくこんがり焼きたい人なら一度は考えたことがあることで、ビーチでひたすら突っ伏していれば他人からの干渉も受けにくいので、この中では難易度もさほど高くない。
「ひとりプリクラ」も、ゲームセンターが空いている平日の午前などを狙い、滞在時間も10分程度で帰還できるため、ダメージが蓄積する前に安全圏に離脱でき、やろうと思えばやれる。
しかしながら「ひとりコース料理」は、ひとり○○好きの中でも筋金入りの、選ばれしひとり○○好きでしか到達できない境地だ。
というのもコース料理が一巡するのには、やはり1時間半は見込まねばならない。
この魔の90分のスカスカのすき間をひとりで埋めることを考えただけでも、その難易度は想像に難くない。
まして料理を運んでくるスタッフが「バケットのお代わりはいかがでしょうか?」などと会話を頻繁に仕掛けてくるのがコース料理だ。
そのたびに「え?本日はおひとりで?」という好奇の目をスタッフから向けられることになり、「おひとりですが、それがどうかしましたか?それにしてもこのワイン、なかなか気に入りましたよ」という超然とした表情を作らねばならない。
このようにたった5%という経験率の低さからも、ひとりコース料理を平常心で嗜める人は、ひとり○○好き界の中でも、最高峰クラスの上級者と言える。
ソロ活好きが自慢するなかなか真似できないひとり○○
さてここまではこちらが準備した選択肢の中から、ひとり○○が得意な人たちに経験したものを選択してもらった結果を見てきた。
しかしながら、ひとり○○好きはこれらの選択肢以外にも、数々の偉業を人知れず成し遂げている。
そこでここからは、これら選択肢以外に、どんなひとり○○を成し遂げたのか?を見ていくことにしたい。
以下はそれらの回答の中から、筆者が特に秀逸と思うものをピックアップして紹介する。
先人たちが切り開いた道を知ることで、ひとり○○の可能性の広がりが実感できるはずだ。
ひとり米軍輸送機搭乗体験
「ひとりで米軍輸送機搭乗体験に参加した。開催地が少ないだろうし、周囲にひとりで来ている人は私以外にいなかった気がする」(41歳女性)
なぜこの回答者女性は、米軍の輸送機に載ってみたいと思ったのか経緯は不明だ。
だが周囲は屈強な米兵たちとミリオタたちで固められていることは想像に難くなく、単独で突入するのにはかなりの勇気がいる状況だ。
レアなイベントすぎて難易度がつけづらいが、「そういやこの前さ、米軍輸送機に載ってきたわ」というエピソードの強さから、チャレンジしてみる価値は十分にある。
ちなみに筆者のほうでも調べてみると、確かに米軍基地が周辺住民等に向けて輸送機の搭乗体験会を開催していた形跡があった。
しかも搭乗体験ができるのは、一時期ニュースで取り沙汰されたオスプレイだったようだ。
ひとりヒーローショーの撮影
「テーマパークにビデオカメラを持って行って、有料のヒーローショーの録画をした」(40歳女性)
「ひとり遊園地・テーマパーク」が、ひとり○○の中でもそこそこの難易度がある行動であることは先のランキングでも触れた。
しかしこの回答者女性の特異な点は、ひとりでテーマパークに行くだけでは飽き足らず、有料のヒーローショーを1時間半にもわたってビデオ撮影し続けたことである。
当然まわりの座席はヒーローを慕う子どもたちと、その保護者で固められていたはずだ。
それでもひとりで黙々とカメラを回し続けるこの女性の姿は、もはやショーの関係者にしか見えなかったかもしれない。
なぜこの女性が、ある日ヒーロ―ショーを単独ビデオ撮影することを思い立ったのか経緯は不明だが、家でお酒を飲みながら撮影したショーを見返していると、「勝利」という言葉が頭に浮かんだに違いない。
ひとりBBQ
「ひとりBBQをやったことがあります。シーズンオフの平日、野外施設だと、昼間一組くらいしかお客さんもいないので快適です。個人的にはひとり焼肉よりハードルが低いです。ひとりでダッチオーブンで焼き芋もしました。美味しかったですよ」(52歳女性)
ひとり焼肉がいけるなら、理屈の上ではひとりBBQも成立することになる。
しかし現実では、なかなかそうならないのが「ひとりBBQ」だ。
というのも、BBQは陽キャの家族もしくは陽キャのよくわからない集まりがEDMをスピーカーで鳴らしながら、ウェイウェイするものと相場が決まっており、ひとり○○を好む人種とは趣を異にしている。
そんな不可能を可能にしてしまったのが、この回答者女性だ。
しかもBBQを食したあと、焼き芋まで作る念の入れようだ。
実際にこういう人がいると「施設の関係者がお昼を食べている姿」に見えるのかもしれないが、それでもひとりBBQの難易度はかなり高いと考えられる。
ひとり富士山
「ひとり富士登山をしました」(38歳男性)
安全面の観点からおすすめはできないが、筆者もソロ登山を楽しんでいたことがあるため、このひとり富士山をしたくなる気持ちはものすごくわかる。
というのも、登山には急峻な山道や足場の悪い箇所が必ずと言っていいほどあり、体力の差はもちろんのこと、山歩きに慣れている人と慣れていない人では大きな差が出る。
そのため連れ立って登山をすると登るペースが合わないということになり、どちらかが無理をするか、我慢を強いられる羽目になる。
そのためひとり富士山に出たくなってしまう気持ちはわかるが、登山には道迷いや滑落という遭難リスクがついて回る。
ひとり富士山はあくまで自己責任で、入念な登山計画と準備、家族や友人に「これから富士山に行ってくるけど、○時頃戻る予定だよ」などと連絡を入れておくことは必須といえる。
ひとりカードバトル
「ひとりカードバトルをやってました」(31歳男性)
将棋や囲碁の上級者が、ひとりで盤面に向かって研究をしている姿はまだ絵になる。
だがどの角度から見ても悲壮感が出てしまうのが、このひとりカードバトルだ。
「ふふ…ここでカオス黒魔術の技術を発動!」
「な、なにー!?」
などとひとりでやっているのか、淡々とバトルを進めているのかはわからないが、いずれにしても、その姿をハンカチなしに見守ることは難しい。
そもそもお互いの手札が丸見えの状態で試合が成立するのか?から考えていく必要があるが、この回答者男性はひとりカードバトルを成立させている。
もちろんやろうと思えば難しくなさそうではあるが、絶対に見られたくないであろう姿をカミングアウトしてくれた勇気に敬意を表したい。
ひとりはしご酒
「ひとり飲みをしていたら盛り上がり、気づけばひとりはしご酒をしていた」(36歳女性)
「1人で居酒屋を回り、何も考えることなく潰れるまで飲むこと」(25歳男性)
ひとり飲みができるという人も、ほとんどの人が軽めの酒量で切り上げているのではないだろうか?
なぜなら「ひとりで泥酔すること」は介抱してくれる人がいない状況ではなんとしても避けたいことであり、限界よりもかなり手前でブレーキをかけてしまうからだ。
しかしひとり飲み好きの中には、その限界を突破してしまった猛者たちもいる。
さまざまな危険な目に遭うリスクが高いので、もちろんおすすめはしない。
だがひとりで楽しそうにベロベロになっているその豪放磊落な姿に、いくばくかの羨ましさを感じるのは筆者だけではないはずだ。
ひとりラブホテル
「ひとりでラブホテルに泊まったこと」(48歳男性)
男性だと大人のお店を利用してひとりでラブホテルに向かうこともあるようだが、ここでいう「ひとりラブホテル」はそちらの用途ではない。
実際にラブホテル側もひとり客を受け入れているホテルが少なからずあるので、そうしたラブホに行けば実現できるが、いざやってみるとなると確かに勇気がいる。
しかしながら、ラブホテルにはダブル以上の大きさのベッドが置いてあり、1~2食をサービスで食事もつけてくれるところが多く、下手をすれば宿泊料金がビジネスホテルよりも安い場合もある。
また女性向けにアメニティやドライヤーを充実させていたり、お風呂が広かったり、無料で映画やカラオケが楽しめたり、中にはプールやサウナまで付いていたりと、素泊まり朝食付きのビジネスホテルと比較すると、何かとメリットが多い。
実際筆者の知人にも、昼間のフリータイムでラブホテルをひとり利用し、ゆったりと休日を過ごすという人までいる。
気まずいのは出入りのときだけで、部屋に入ってしまえば人目をはばかることなく好き勝手過ごせるので、盲点をつくひとり○○と言える。
ソロ活好きでもためらう!高難易度の「ひとり○○」
さてこれまではひとり行動好きが実際にやったことがある「ひとり○○」について見てきた。
ここからはやってみたいけど、ソロ活好きでもなかなか一歩が踏み出せない高難度な「ひとり○○」を見ていきたい。
ひとり行動が好きな回答者たちから挙がった「やってみたいけどなかなか手を出せないひとり○○」には次のようなものが挙がった。
ひとりロケ撮影
「Vlogなど、ひとり行動中に話しながら動画を撮ること」(30歳女性)
「街中など人目が着くところでのTikTokにあげるダンス動画の撮影」(31歳男性)
たまに都心部では自撮り棒をかかげ、ひとりでブツブツしゃべりながら歩いている人を見かけるが、ひとりでロケ動画を撮影するのはかなり勇気が必要な行動だ。
また街中で撮影された踊ってみた動画を見ても特に違和感を感じることはないが、撮影の裏側を想像すると確かにかなり異様である。
もちろんカメラマンが同行していれば「ロケやってます」と格好もつくが、ひとりで動画撮影となると一気に難易度が上がる。
普段何気なく見ているYoutubeやTikTokも、その裏では撮影者の涙ぐましい努力があることに気づかされるひとり○○だ。
ひとりラジオ体操
「人通りのある道に面する庭でのラジオ体操。軽いストレッチなどは抵抗がありませんし、もしラジオ体操を一緒にしてくれる人が一人でもいればなんとも思わずにできるのですが、単独となると恥ずかしくてできません」(47歳女性)
公園に行くと、おじいちゃんが単独でラジオ体操のような軽い運動をやっている姿を見かけることがあるが、いざ「ひとりでやってください」となると、強い心理的抵抗を感じるひとり○○だ。
まして1回限りならまだしも、毎日の習慣としてひとりラジオ体操に取り組むとなると、近隣の人たちから「ラジオ体操の人」というカテゴリーに乱暴にぶち込まれることは避けられない。
ひとり団体ツアー
「ひとりで海外旅行もしたことがありますが、国内の団体ツアーにひとりで参加するのだけはダメです」(44歳男性)
国内団体ツアーというと年齢層はやや高めになるイメージがあるが、そうした人生の先輩方に囲まれひとりで参加していると、余計な心配をかけてしまうのではないか、という懸念が拭えない。
また少しでも周囲の人と打ち解けようものなら、道中の退屈しのぎに「どうしてひとりできたの?一緒に来る人いないの?」などと、傷口に何度も塩を塗りたくられるようなリスクも孕んでいる。
同じ国内旅行とはいえ、ひとりで団体ツアーに参加するのは難易度がはるか上にある。
まとめ
以上が、今回調査した「ひとり○○」に関するレポートだ。
先人たちが切り開いた多種多様な「ひとり○○」を見ていると、「自分にもなにかできるのではないか?ひとりではできないと思い込んでいるだけで、実際はできるのではないか?」という思いに駆られた人も少なくないだろう。
実際いつもは誰かと連れだってやっていることも、ひとりでやってみると全然違う印象になることは多い。
本稿が「ひとりだからできない」を「ひとりでもやれた」に変わるきっかけになれば、幸甚だ。
アンケートについて
アンケート実施法
・アンケート方法 インターネット上でアンケートを実施
・回答者数 ひとり行動が好きな全国の男女117名
・調査日 2025年1月10日
・設問は複数選択式、自由記入式
・調査主体 【300人のホンネ】編集部
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